10/19/08

銀行の融資機能9(衰退)と信用収縮リスク

もしも信用創造機能・・貨幣乗数が10倍とすれば、417兆円の貸し出しに必要な純粋預金残高・・真水は41兆円で足りるはずです。

貸し出し総額が417兆円と言うことは、この貸出しに使われた真水の預金が10分の1である約41兆円しかないのかも知れず、(5倍の場合には真水が82兆円)国債購入に使った約200兆円は、銀行業界から現金=紙幣を放出しっ放しで信用創造機能が働きませんから、そのままとして、合計実質250兆円・乗数効果が5倍の場合300兆円)らいが真水の預金・・・法人個人を合計した国民資産でしょうか?

あるいは国債購入資金に使われた200兆円も信用創造機能の結果、水増しされた預金を元手に購入したものかも知れず、そうとすれば611兆円の10分の1である60兆円前後が、企業・団体・個人を総合した真水の預金残高かもしれません。

真水の預金残高を見るには総預金から、総貸付金=総負債を引けばいい筈ですが、実は銀行は預金を利用して株式の購入などもしているので、貸付金だけを控除すればいいとは限りません。

証券投資することによって、株式相場を吊り上げ(あるいは下落を食い止め)、その株を担保にさらに信用取引でその何倍もの株を買う人がいますので、(・・不動産やゴルフ会員権相場も同じ原理です)今の信用創造機能は複雑な広がりを持っているのです。

国民から集めた真水の資金が仮に250兆円とすれば、その内、200兆円について、右から左に国債を買ってるだけでは、5分の4・・大部分についてまったく銀行らしい機能を果たせずにいたことになるのでしょうか?

もしかしたら、現在の銀行は、せっかく国民から預かった資金のうち信用創造機能をほとんど(上記の例で言えば5分の1しか)果たしておらず、平均してひとつの預金で2〜3回程度しか回転させられていないのかもしれません。

この回転率次第で、611兆円(417兆円)に対する真水の預金率は上下します。

本来ならば、真水の預金残高の何倍も貸し出してこそ、銀行本来の役割があるのですが、上記の仮定の計算で言えば、せっかく民間から集めた250兆円のうち200兆円もの資金を有効利用できず、そのまま国債購入資金にしているので、(個人で言えばたんす預金しているようなものです)運用権の大部分を国に自主返上している感じで、これでは逆に信用収縮機能を担って来た感じです。

お金の使い道の分からない人から集めて、これを有効利用できるところにまわすための仲介機能こそが銀行の本来的機能ですが、せっかく国民から集めても使い道が分からない・・・殆ど役割放棄をした状態になっているのです。

日本の金融界が本来の機能を果たしていなかったからこそ、長期に及ぶ低金利、国債の大量発行=紙幣の大量流通にもかかわらず、インフレにもバブルにもならなかったと言う怪我の功名になったのかも知れません。

今回世界中の金融危機に対して、わが国だけ超然としていられるのは、わが国の金融当局の政策が良かったからではなく、官民挙げて無能すぎたこと・・金融仲介機能が極めて低く、倍々・・証券化によって何乗倍にも膨張させていなかったので、経済が逆回転・・、信用収縮局面になっても、収縮余地の少ないことが、国際金融危機の影響をそれほど受けていない大きな原因です。

 



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