10/17/08

日銀特融の対象6(保険業界除外)

不景気のときに公的資金で取得した株式が、景気が良くなったときに、もしかして1,3倍に値上がりしていれば、これを民間に売り抜けて紙幣を1億1700億円分引き揚げれば、好景気による景気過熱を防げるし、紙幣が過剰に出回らない結果で終わります。

この意味では、国債増発→補助金や公共工事よりは、公的資金の企業への投入は、意外に紙幣回収が容易でインフレやバブル抑制的に使えるのです。

ただ、政府がせっかく民間から吸い上げた紙幣を、公共工事や補助金に使うのでは意味がないので、このときは毅然とした対応、株式消却同様に、・・取得した株式の売却による紙幣の回収と回収後これを文字通り焼却するのが合理的です。

しかし、財政赤字の政府がこれをすることが事実上不可能・・・・赤字国債の買い戻し資金にすると、その分また紙幣が市中に出回ります。

そうとすれば、紙幣の信用創造機能を弱め・・あるいは、レバレッジ効果のある信用取引の規制をするしかないでしょう。

従来の倍の紙幣が出回ってしまったとすれば、信用創造機能が従来10倍であったとしたら、今度はその機能を5倍までにおさえこむ政策です。

具体的には、従来どおり預金準備率の操作による方法・・この場合、従来よりも準備率を大幅に引き揚げる必要があります。

このほかに、銀行の信用回転率を規制する新たな制度の構築・・・自己資本比率の拡大・・・結局は銀行の役割低下政策が必要です。

議会での具体的議論の必要性から、欧米の金融危機に絡んで話がいろいろと飛びましたが、日本の特融対象として、生命保険業界はどうなっているでしょうか?

09/22/08「日銀特融2(日銀法1)」以下で紹介した日銀法施行令では、対象金融機関等としては、保険業はまだ入っていません。

しかし、政府の金融危機対策として、14日に発表された政策には、生保業界に対する保険給付の保障政策の継続(09年3月末で期限切れの予定でした)が入っていました。

日本では保険会社が倒産しても、その特定顧客が損するだけで、顧客保護対策は預金保険機構のような預かり金の保全措置の制度設計で足りるのであって、信用収縮・・金融破たん連鎖は起きないという考えでしょうか?

実際、約10年前の金融危機のときに日本の中小保険会社4〜5社が破綻しましたが、その救済はされませんでしたし、特段の金融収縮連鎖は起きませんでした。

証券の場合は顧客の預かり証券(資産)を勝手に流用運用できませんが、生命保険の場合、顧客の長期的積み立て資産を元手に「ザ、セイホ」として各種巨額投資をしているのですから、これの破綻は貨幣の流動性の収縮・拡大には大きな影響力を持っているのです。

とは言え、巨額資金を動かすと言う基準を持ち出せば、各種ファンドの破綻・大手企業の破綻なども対象になってくるし、けじめがつかなくなってくるでしょうから、それは信用秩序だけを問題にする日銀の管轄ではなく、政府の一般経済政策の問題となっているのでしょう。

アメリカではAIGの救済を決めたように、今では銀行だけではなく証券その他周辺業種も重要な金融仲介機能あるいは信用創造機能(証券化商品に加工したり信用取引、空売りその他・・)を果たしている時代です。

(この点は10月16日・・1の冒頭にも書きました。)



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