10/17/08
インフレとバブル4
資金余りの先進国では、融資条件の緩和はローン支払い能力に困っている人が助かるだけであって、インフレになり難いし、仮にインフレになっても、一定期間の混乱を経て、それで「給与も物価も数倍になった状態で安定すればいい」じゃないかと言うのが私の意見です。
不景気対策=資金大量供給・・金融機関救済策ばかりでは、結果的に紙幣が市場に大量に放出されてしまいます。
先進国の国内市場だけで見ると、これまで書いているようにいくら紙幣を大量供給しても、供給過剰社会ですからインフレにはなりようがないのですが、地球全体では円(将来的にはドルキャリー取引も発生するかも?)のキャリー取引を通じて世界中に紙幣が再び流出していきます。
過剰流動性がインフレに直結しない先進国では、紙幣の過剰発行が、国内的には特殊資源・・高級美術品や土地、貴金属・ブランド品などに集中するバブルとなり、それだけでは使いきれない資金は、海外資本不足国へ流出して金融資産となります。
資金流出を受け入れる中国やインドなどの中進・後進国以下では、紙幣過剰は、消費財の上昇圧力に連動しますので、インフレ懸念が問題になるのです。
この連鎖の結果、インフレ懸念以上の紙幣はどこかへ行くしかないので、地球資産の合計以上の過剰資金がどこかで暴れ始めるのは仕方がないでしょう。
原油その他資源高騰やバブルの発生は、この余剰資金の偏在ですし、その崩壊は、世界各国のGDPの何倍にも膨らんだ金融資産総額=負債総額を、GDP・・支払い能力の実態に合わせる過程と見ることが出来ます。
要は、紙幣の増発は、何年か後にインフレになって高物価高収入で安定するか、バブルになって崩壊=債権の評価減にならない限り、帳尻が合わないのです。
金融資産評価が支払い能力の線まで下がって落ち着き、あるいはインフレによる名目的支払い能力の引き揚げによって、金融危機が収まった後には、再び銀行の信用創造機能が回復してくるのでしょう。
このときが来れば、金融危機以前よりも紙幣が増刷された分、以前よりも激しい過剰流動性の時代が始まります。
従来は、これがインフレとなって物価が平準化し、増発した紙幣量に反比例して紙幣価値が下がれば、それで安定したのです。
現在では、供給過剰経済でインフレにすることも出来ないので、貨幣価値はそのままです。
しかし、地球資産以上の紙幣は有り得ないのですから、今回の金融危機以前よりも、もっと大きな資金の偏在・バブルが膨張していくのですが、これを防ぐには、金融収縮対策として公的資金投入の結果、大量に出回ってしまった紙幣を・・再びバブルになる前に迅速に回収する必要があります。
ところで、公的資金投入・・金融機関等への資本注入は、増えすぎた流動性の吸収策といえないこともありません。
たとえば、資本金1兆円の銀行が危機に瀕し、その資本を1000億円に縮小・減資をした上で9000億円の公的資金を投入したとしますと、世の中からは8000億円が魔法にかかったかのように消えているのです。
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