10/14/08

インフレとバブル2

日本のバブル崩壊後の状態を思いだせばいいでしょうが、個人金融資産は腐るほどあったのですから、不景気とは言っても購入資金の不足ではなかったのです。

金融緩和で潤うのは、国民の最下層・・借金だらけの人や倒産寸前の弱小企業だけで、その他大勢・・健全な市民は、紙幣がだぶついても不景気で先行き不透明ならば、様子見のために株などに投資せずにタンス預金するばかりです。

日本の企業も工場新設資金を用意してあっても(資金不足ではなく)、この先見通しが悪いから投資計画を先送りしたりしているのです。

金融緩和+円の大量供給をしても、国内でも供給過剰になっていた上に消費財は中国からいくらでも安く入ってくるので、商品の奪い合いが起きないために紙幣が倍になっても価格が倍にならなかったのです。

金融資産の豊富な先進国で金余りを演出しても、インフレになるどころか逆に低価格品の輸入が増える始末です。

せいぜいブランド品がよく売れる程度、あるいは高級美術品・・増産余力が乏しく輸入不可能な不動産相場が値上がりする程度・・結局は部分的なバブルにしかならない経済構造になっているともいえます。

これでも、使い切れずに余った余剰資金が株式・債券市場を駆け巡り、花見酒の経済同様に、資金が回転するたびに、金融資産の額が名目上膨れ上がっていきますから、現在では世界主要国のGDPの何倍もの額面の金融資産に膨れ上がっているのです。

ある人の月額支払い能力が30万円であるとして3000万円借りてローンを払っていた人が、自宅価値評価が5000万円に上がったと言うことで4000万円に借り増しして、月に40万円の支払いを続けている場合、一定期間の経過で支払い不能になる筈です。

その前に、自宅評価が6000万円に上がればまた5000万に借り増しする方式を繰り返せば、際限なく借金を膨らませていける仕組みです。

これがアメリカの住宅ローンのカラクリでしたが、貸す方の銀行もその都度預金残高が数字上上乗せされていくので、いくらでも数字・・名目上の金融資産だけが膨らみ大きくなっていったのです。

全体的なインフレになって、賃金など支払い能力も含めてすべてが不動産価格上昇同様に底上げすれば解決ですから、実はインフレの方が問題が少ないのです。

インフレにならずに不動産価格だけの上昇の場合、借金との比率では、支払い能力が不足していく一方ですから、これではいつか破綻するのは当然です。

これは、サラ金の顧客が50万円枠を100万円枠に広げ、次に150万枠〜200万円枠と順次繰り返していき、問題なく返し続けているような錯覚に捉われているのと(担保の有無を除けば)同じです。

金融資産が巨額になると幸せなようですが、実はその裏側にイコール同額の負債があることになりますが、実物資産・支払い能力の総額を債権額・・金融資産が超えている以上は、その超過分は不良債権でもあったのです。

バブルのように局所的値上がりではなく、総体的諸物が価高騰するインフレの方が、支払い能力も比例して上がりますので、金融危機・・債権の急激な評価減にはならないのです。

 



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