10/11/08
公的資金投入の基準1
話が議会と政府の関係に大分それましたが、信用創造機能の温度差から、アメリカ政府が今回証券会社の救済をしようとしなかったのですが、その後リーマン・ブラザーズ切捨てに対する株式市況への影響の大きさに驚いて、僅か1日くらいで保険会社AIGを救済したり、その後、証券会社でも、MMFだけ元本保証をするようになった行動をしています。
このような場当たり的救済基準は、金融秩序維持に必要かどうかではなく、庶民の懐直撃の有無・・・政治家への影響が大きいかどうか・・政治家の自己保身が基準になっているとしか言えない感じです。
リーマンを救済しない理由として、リーマンの顧客は、金融機関や大企業中心だからと言う触れ込みでした。
庶民の懐を直撃しなくとも、庶民には間接的な核心部分でもその対応を誤ると、結果的にもっと不景気が来て庶民に影響を与える物価上昇・不景気、失業の増大などの効果が出てくる場合があるのですが、庶民は目先の利害しか考えません。
人るの長期的発展に多大な影響を及ぼす基礎研究に10億円使うよりは、これを国民にばら撒いて生活保護費を千円でも上げてくれというようなものです。
彼らは、お猿さん同様にいわゆる「朝三暮四」の世界に生きているのです。
庶民の懐直撃の有無・・政治家の自己保身を基準(民主主義国家・・行き着く先が衆愚政治としては当たり前ですが・・・)にアメリカの金融当局が行動していると、アメリカの金融危機処理がこれからまだまだ迷走する可能性があります。
アメリカの公的資金投入の是非も庶民感情だけを基準にせず、きちっとした整理・・基準が必要です。
9月26日の夕刊では、7000億ドルの公的資金投入の金融安定化法案では、政権側である共和党側自体が選挙を控えて、いつからアメリカが社会主義国になったのだ!
「社会主義的政策は承知できない」
と強硬な構えで承知しない様子で、与野党の話し合いは物別れに終わったようでしたが、その後修正妥協を繰り返し、ついに大物同士の間で妥協が成立したとして、9月29日に下院本会議にかけたら見事に否決されてしまったという経過でした。
これに対して野党民主党側の要求は、「救済する代わりに金融関係者の巨額報酬をなんとかしろ、退職金を何とかしろ」「そうでないと庶民が納得しない」と言う日本の民主党同様のやっかみ基準の物言いだけ・・・条件付承諾のようでした。
与党である共和党の方は、より根本的に社会主義国家ではないのだから、事業に失敗してつぶれる会社は潰すのが筋だ、金融秩序維持は、末端の困窮者の救済・・サブプライムローンの減免や保証で対処すべきだと言うものらしいですが、端々にしかその主張が伝わってきませんので理解不十分です。
日本では行政府の決定に従うのが正しいと言う基本思想で洗脳されていますので、政府決定に反対すると悪者みたいなマスコミの思想ですから、アメリカ議会の状況に対しても、いかにも議会がゴネていると言う書き方が主流です。
金融安定化法案の議会通過が長引くと、経済に悪い影響があると言わんばかりの書き方です。
何事も対処は早いほうがいいのですが、政策というのは、算数の答えのように画一的「解」が決まっているわけではなく、いろんな選択肢があるはずです。
政府当局の提案が、そのまますんなり通らないと如何にも「大変だ大変だ」と言う印象を振りまいて報道するのは、権力者・行政府の決定がいつも正しいと言う刷り込みを国民にしているのと同じです。
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