10/10/08

法案の具体化1(別表その他の多用)

冷戦時代の左右イデオロギーを基礎に観念的争点、あるいは先進国モデルの選択を争っている時代には、国会では大筋・・採用モデルだけ決めて、細かいことは政令や省令に一任とするのが合理的だったのです。

たとえば、日米安保反対か否かだけ国会では議論するばかりで、その後は知りませんという次第です。

今でも、これが現在立法形式の主流ですが、先進国に存在するAまたはBの制度を真似て導入するかどうかの抽象的議論が中心でその後の詳細は殆ど問題にしないあり方で国会の機能が足りていた時代は終わっているのです。

昭和50年代からは、むしろ先進国へ日本が公害対策、省エネその他お手本を示さねばならない時代が来ているのです。

今回アメリカのサブプライムローン問題に端を発した世界中の金融危機に対して、日本だけが平静を保っていて、10年前に経験済みということが、何よりも日本が真似する立場から真似される立場・・・・・最先端を進んでいることの証左でしょう。

日本の新幹線かフランスの新幹線かを決めれば、あとはその一式を輸入するだけと言うのが後進国ですが、自前で物を造るとすれば、その具体的運用方法なども研究しておかねば実用化できません。

こういう時代には、立法府もどこかの真似をする抽象論だけで満足していないで、法案段階でその先まで具体化して議論することの必要な時代が来ているのです。

先進国で採用しているABCの事例のどれを選ぶかだけを国会で決めれば、これに基づいて役人が留学して研究してきて、そのままシステムそっくり輸入すればいい時代が終わり、自前で考えて制度を構築する時代になれば、細かいことまで決めないとその運用段階でまるで違ったものになってしまう可能性があるからです。

細かいことも政令や省令に一任せずに、・・・すなわち法律の別表として昇格させれば、その法律が具体的適用場面ではどうなるかが、あらかじめ分かりよいし、ある分野に素人の議員でも地元に持ち帰り、地元支持者の意見を元に議論に参加できるのです。

立法段階では、具体化する時間的余裕がないという意見があるでしょうが、実は法案提出段階で、その施行に合わせて政令や省令(の下書き)も同時に整備するのが普通です。

実際、その法律を施行すると具体的にどうなるかのシュミレーションなしに法案や予算案を作成できませんから、普通はセットで用意するものです。

法律の施行期日が、公布と同時ではなく半年、1年、数年先の場合もありますが、それは国民に対する周知期間の関係で長期化しているだけで、それでもある程度具体的イメージなしに法案が出来るものではありません。

(具体的イメージが施行直前・・3年先に出来上がるのでは、国民に対する周知期間を設けた意味がなくなります。)

たとえば、裁判員制度では国民への周知の関係で期間を長く取っていますが、(いよいよ来年春施行です)その前提としてどのような手順の裁判になるか、法廷の広さがどの程度必要かによってあらかじめ建物の変更工事が必要になるなど、・・・実際、千葉地裁ではこれにあわせて新築工事中ですが、工事完成に数年かかるなど・・法律制定段階で、いろんな角度から予算を含め想定準備されているのです。

 



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