10/07/08

儀式の場としての国会

議会を儀式化している日本の仕組み・・政府決定イコール最終決定を前提に、マスコミはアメリカ連邦理事会や政府の救済提案発表段階で、これを大きく取り上げますが、実はその後で法案が議会で承認・・採決されるかどうかの関門があるのです。

言うならば、政府決定ははひとつの提案でしかないのです。

GSE2社への公的資金投入についても、政府決定から大分経ってから8月末ころだったか?議会通過したと小さく報道されていました。

とは言え、政府当局者が決断・提案しない限り、ものごとが始まりませんから、政府発表段階でこれを好感して株価を上げたり、リーマン・ブラザーズに対するように救済案を提案しないことで、同社の破産処理に進み、これに連動して世界中が株価を下げたりしているのですが、アメリカでは前向き決定は日本のように官僚と政府有力者が決めただけで終わりではありません。

世界一巨大なアメリカの年間国防費を上回る7000億ドルもの公的資金投入・・法案自体を詳しくを知りませんが、報道から漏れ知る限りでは、安定化法案は個別救済案ではなく、包括的に予めこれだけの投入枠を政府権限として認めてくれという形式だったようです。

いろいろありますが、たとえば、当初は2500億ドルまでしか認めず、次の1000億ドルについては議会に通告してから一定期間経過後の投入、その残りについてはもう一度議会の承認を必要とするなど、ぱらぱら議会からの制限案がマスコミに出てきていますので、これらによると、原案は、包括白紙委任法案だったのでしょう。

国防予算総額以上と言われる巨額に上る金額の使途が、政府一任と言う法案だから10月5日・・1のコラムで紹介した下院議長の「白紙小切手は切れない」と言う発言につながったものと思われます。

投入する公的資金は、税または国債によるとしても、国民にとっては、結局は国民の負担行為ですから・・・・国民の代表たる議会で多角的な議論をするのは当然の責務でしょう。

わが国では、日銀特融については、09/22/08「日銀特融2(日銀法1)」以下で日銀法と政令を紹介しましたが、予め政令に一任していて議会での議論が不要な仕組みとなっています。

そのうえに、その政令も手回しよく貸金業まで含めているほど幅が広く制定されているので、議会の議論どころか、内閣の議論もどこの議論も法的に不要です。

ただし、日銀特融と公的資金直接投入・・支出行為とは、次元が違うでしょうが・・・。

約10年前に発生したわが国の金融危機の走りでは、住専への6千億円以上に上る公的資金が投入されましたが、マスコミが騒いでいたくらいの感じで、(せいぜい言うことはモラルハザードと言うくらいですが・・・)その後うやむやに(私が覚えていないだけでしょうが・・)終わったような気がします。

日本政府はいろんな事件が起きても、積極的に議論をして国民の意見を聞きたいというよりは、後記のとおり、議院内閣制ですから、法案提出段階で事実上決着しているので騒ぎさえ収まればいいという態度です・・・・。(昔から「他人(ひと)のうわさも75日」と言います。)

アメリカのように、議会同意を得るために積極的に説明して協力を求めると言うよりは、野党の質問をはぐらかせていたら、その内終わるだろう・・・一定期間経過で強行採決すればいいと言うのが、いろんな政治課題における日本政府のありようです。

 



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