10/03/08
暴力行為等処罰に関する法律(刑法116)
銃砲刀剣類の使用による傷害の場合、特別法で結果如何にかかわらず1年以上の懲役刑・・・・1年以下の刑を宣告出来ないようになっています。
これら凶器を用いない単純傷害の場合には、それ以下の運用・量刑が多いからこそ、このように1年以下にはできないと言う特別な法律が必要になっていることをあらわしているでしょう。
暴力行為等処罰ニ関スル法律
公布:大正15年4月10日法律第60号
施行:大正15年4月30日第一条ノ二 銃砲又ハ刀剣類ヲ用ヒテ人ノ身体ヲ傷害シタル者ハ一年以上十五年以下ノ懲役ニ処ス
2 前項ノ未遂罪ハ之ヲ罰ス
3 前二項ノ罪ハ刑法第三条、第三条の二及第四条の二ノ例ニ従フ
とすると、実務上不都合が生じていないのに、何のために最長期を15年に引き揚げたのか分かりません。
日銀特融の対象に、今から貸し金業者を加えているのと同じ発想で、100年先を見据えた改正でしょうか。
2人以上に対する傷害事件、あるいは2回以上の傷害事件では、併合罪加重(1,5倍までです)を出来るので、従来でも15年まで科刑できたのです。
併合罪加重については、09/09/06「刑事関係法の歴史23(刑法64)現行刑法典4(併合罪)」で紹介しましたが、もう一度条文を紹介しておきましょう。
2個以上の罪とは、たとえば、二ヶ所に窃盗に入った場合とか、2人に怪我をさせた場合などです。
罪数については、ある行為が一罪か数罪かについては、学説も分かれれていて難しい問題ですので、これについては別の機会に紹介しましょう。
刑法
(併合罪)
第45条 確定裁判を経ていない2個以上の罪を併合罪とする。
ある罪について禁錮以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。
(有期の懲役及び禁錮の加重)
第47条 併合罪のうちの2個以上の罪について有期の懲役又は禁錮に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とする。ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。
平成16年の刑法の改正は(このとき傷害罪に限らず、多くの犯罪類型で1,5倍に長期を引き揚げました。)長期を引き揚げないと対処出来ない事件が頻発するようになったからではなく、従来のたとえば2〜3年だった宣告刑を倍の4〜5年に、従来3〜4年だった刑を5〜6年に重罰化する運用がし易いように、ムード的効果を狙ったつもりでしょう。
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