12/27/07

農地法19(非農家の農地取得?3)

実際には、開発屋と言う業種が存在するほど、開発行為の実務は複雑ですから、契約後の転用許可申請・・開発行為などは買主側の業者がすべて、売主の地主から印を貰って手続きを代行するのが普通です。

さらに許可には必ずと言ってよいほどの許可条件がつきますので、条件付許可後のブルドーザ等での転用の実行行為をするのも、地主の名で行うものの地主にはその工事内容に関心がありませんし、また口を出す能力もないので、実際は開発業者側の仕事になっています。

こうして、実務上は、農地の段階から事実上支配権が移っているのです。

そこで、世間で言うところの「農地を買う」と言うのが、法的には誤りですが、実態に合っているのです。

しかし、この後に許可の法的効力を説明しますが、許可は効力要件である・・許可があるまでは債権的効力しかない・・所有権は移らないと言うのが確定判例ですから、許可所条件を履行している作業段階では、まだ元地主の所有であって、許可条件を完成した後に買主が所有者になる関係です。

ですから、各種開発工事の名義人は元地主の名で行っているのです。

では、非農家が法的には、農地のまま取得する方法がないかというとそうではなくて、農地のまま取得するには、相続などの特殊事情によるほか12/20/07「農地法15(転用等の制限1)」で紹介した第3条の許可による方法があります。

この場合には5条(農地が宅地など非農地になるの)とは逆に、非農家が農家になってしまう・・農業従事者になる前提で許可される仕組みです。

ややこしい話ですが、非農家のままでは農地を取得できないのですが、その農地を取得することによって、農家資格を取得出来る場合にも、農家として購入資格を得られる段取りです。

農地の取得には、農業適格者・・農業に精進する者でなければ許可されない仕組みですが、(・・自営する人しか許可しない)規模的には、最低5反歩以上とか3反歩以上(地域によって基準が違います)の農地がないと、農家資格がないことになります。

ところが全く農地を持っていない人でも、まとめて5反歩以上買うとなれば、その取得自体で、農家資格を得られるので、形式的には、購入資格を得られるのです。

後はその購入希望者の自宅から、その農地までの交通手段その他購入希望者の経歴・・農業従事者の有無など、本当に農業をやれるのかどうかが農業委員会で審査されるのです。

この審査はこれまで書いているように、不在地主の復活を恐れたものですが、現在の農地売却や貸借の実態を見ると、その前提となる社会実態が明治初めとはまるで違っているので、本来それほど神経質になる理由はないのです。

 



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