12/18/07

農業補助金=団体的生活保護1

運送会社でトラック運転をしなくとも、建築会社で建築現場に出なくとも、経営・間接部門で一生懸命働いている人は一杯います。
農業実務を現場でやらないことと不労所得とは違うのですから、経営者=不労所得と決め付ける農政の基本姿勢は間違っているのです。
この点は、農業労働者の労働条件が劣悪だった問題と、農業が自営農でなければならない・・農業労働者使用禁止の問題とは違うのにこれを短絡させて、性急に農地開放をして、農地の細分化を強制したのは誤りだという私の考え方は同じです。
農業労働者の地位向上が必要ならば、それ自体・・労働条件の改善を考えるべきであって、使用禁止するのは短絡的で誤りであると言う私の意見については、11/30/07「農地開放政策の意義4(GHQの占領政策2)」12/06/07・2「自創法1と農地法7(小規模農業1)」等で書きました。
戦後流行した、「働かざる者は食うべからず」と言う標語を思い出しますが、不労所得を許さないと言う思想が今でも正しいとしても、法人経営者が、農業現場実務家であるべきかどうかとは何の関係もないはずです。
農政の担当者の視点は、農業経営がどうなる・向上するか衰退するかよりは、農民が部外者に支配されるべきでないというスタンス・・経営・・採算を度外視した政策に問題があるのです。
しかし、金儲け主義ではない・・・赤字を目的にした産業政策を政府が基本にして企画するのは、どこかおかしいでしょう。
農業の非効率が放置できなくなってくると、今度は、他の目的(環境保全・美観その他)に資するから、農業は赤字でもいいだろうという開き直り発想が宣伝されるようになりました。
しかし、そう言うことを言い出したのでは、その産業自体が自立しなくともいいという開き直りですから、いよいよ自立できるようになるのは不可能・・絶望的です。
補助金に頼り、自立の展望のない産業(農業に限らず)では、後継者が育たないどころか若者に逃げだされてしまい、担い手は逃げ出せない老人ばかりになる一方です。
農業後継者不足が何故起きるかといえば、将来への展望がないからでしょう。
前向き・・新製品の普及に向けての助成金は別として、後ろ向き補助金で成り立っている業界・・地域を分解してみると、自分達・・その業界・・地域の働きによる収入ではその業界・地域を維持できないということです。
仕事に対する市場で支払われる対価だけでは、収入が不足するので、補助金に頼って業界・地域全体の収入を引き上げてもらい、それで業界関係者の関与度合いに応じて分配し、関係者が何とか生活している状態と言えます。
これを個人の仕事による収入不足を補うための生活保護・各種障害者補助金等と比べてみると、業界補助金は受給構造が複雑になっているだけで、実質的には形を変えたグループに対する包括的生活保護と評価できるのです。

 



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