12/17/07
役員の資格制限6と司法支援センター2
司法支援センターに関しては、08/02/06「司法支援センターと契約弁護士」前後で、こうした視点と官による民業の圧迫の視点などから、連載したことがありますので参照してください。
国選と私選の区別基準が事実上なくて、被疑者や被告人が求めればみんな国選になる仕組みでは、消費者としては安い方がいい・モラルハザードを助長しますので、私選の刑事弁護は壊滅してしまうことが予想されています。
税金の支出や生活保護の支給などには辛い政府が、この面ではひどく寛大・・申し出ればフリーパスなのは一見不思議ですが、上記コラムでも連載しましたが、ほぼ全部が国選化すれば、刑事専門で食べていく弁護士はいなくなってしまうのが狙いでしょう。
最近の調査では、国選の時間単位料金が約6000円くらいにしかならないといわれています。
この単価の中から、記録謄写費用や、面会に行くための交通費などを出費しなくてはならないのですから、事務所家賃や従業員などの負担のある弁護士にとっては、国選受任は、まともな仕事ではなくマイナス負担でしかなくなっているのです。
こう言う単価に据え置いておきながら、事件の殆どが国選になれば、手の込んだ事件処理の経験をするチャンスが激減しますから、イザというときに国家権力と対峙するほどの刑事弁護を出来る人材が育たなくなる危険があるのです。
調理師に毎日炊き出し用の料理ばかり作らせておいて、高級料理を作る経験を無くしてしまえば、イキナリ高級料理のコンテストに出場させてやると言われても、手の込んだ料理を作れなくなるのと同じです。
司法支援センター構想は、政府に楯突くうるさ型の刑事弁護を壊滅させようとする深謀遠慮があるからでしょう。
そう言えば、刑事弁護で著名な安田弁護士が、検察に事件をでっち上げられて逮捕起訴されたのは、ここ数年前のことですし、支援センター構想の具体化したのと時機が一致しているのです。
わたしは、この事件には、能力的に参加出来ませんがカンパはしていますので、ついでに経過を紹介しますと、この事件は1審で無罪となり、現在控訴審に係属中です。
こうした事件が頻発すれば、仮に無罪になっても権力と対峙しようとする弁護士に対する萎縮・威嚇効果は大きいでしょう。
話を戻しますと、司法支援センターが所管するのは国選に限るとは言え、事実上殆どの刑事事件が国選になれば、刑事弁護の殆どが法務省の監督下に置かれることになります。
国による弁護人に対する監督権の確保は、(一部)国選に限るからいいだろうとはいえない事態になっているのです。
経営と実務の分離とっても、司法支援センターは、民営の法律事務所とは違い国営ですし、組織が大きいから内部バリアーを作れるとしても、それは事実上でしかないのですから、政府が直接介入できる本質が変らないので問題があるのです。
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