12/16/07
役員の資格制限5と司法支援センター1
経営と業務の分離可能性の問題は、司法支援センター(法テラス)による、刑事国選事件の統括が弁護士の自由な発想・・弁護活動を妨げるのではないかと言う論点と繋がっていきます。
司法支援センター設立までは、原告官(検察)と被告から中立の裁判所による国選弁護の選任でしたし、しかも、その名簿は弁護士会で調整した名簿により、弁護士会で指名して個別の弁護士が受諾して、これを弁護士会から裁判所へ届け出て選任される運用でした。
司法支援センターは、ご承知のとおり法務大臣が所管していて、国選事件を担当するには、支援センター・・法務大臣の下部機関と受任弁護士が個別に契約しなければなりません。
名簿も弁護士会が出したものによらずに、支援センターと個別の契約になるので、支援センターからの直接指名になるのです。
この契約に基づく、規制、監督権が生じるのが問題なのです。
これに加えて、法テラス専属の弁護士がこれから続々と誕生するのですが、これでは、国(法務大臣の下部である検察の起訴)を相手に刑事事件の有罪・無罪を争う弁護人が、法務大臣の支配下に入る制度仕組みですから、自己矛盾ではないかというものです。
支援センターの長が、たまたま弁護士資格があればいいかどうかの問題ではなく、その長が誰から選任されているかが重要です。
法務大臣がタマタマ弁護士資格があればいいというのではなく、その選出母体が政治団体であれば政治による支配になることから分かるように、選出母体が重要です。
医師と経営者との内部障壁を書きましたが、司法支援センターでも、決して事件の処理内容には立ち入らない仕組み・バリアーを設けるから問題がないということでしょう。
しかし、独立の弁護士が契約するのはまだしも、司法支援センター専属の弁護士が誕生してくると2流検察官(訟務検事の亜流)のような印象になる可能性があるので、なお問題が大きくなるのです。
そこで、支援センターと契約を強制されるのには批判的な弁護士が多いのですが、そうは言っても、みんなで契約を拒否したら、刑事制度が立ち行かなくなるので、今では変な制度を作ってしまったから仕方がない・・やむを得ないという立ち場で支援センターと契約している弁護士が多いのです。
(私もその一人ですが、もう1年以上付き合っているので、もう少し様子を見てやめたいと思っています) 支援センターの業務開始後約1年以上経過しましたが、ホネのある弁護士は法務省の支配下での弁護は出来ないとして、毅然として国選事件の受任を拒否している人も多いのです。
何故、中立である裁判所の弁護人選任権を、訴訟の一方当事者である法務大臣に事実上移管してしまったのか疑問です。
ここで事実上というのは、支援センターからの指名で、裁判所が任命するのですから、今でも法的には同じですが、支援センターと契約しなければ裁判所で選任されない仕組みになったのが問題なのです。
司法支援センター経由事件では、契約に基づく弁護人監督権・・支配権が生じてくることが、大問題になっているのです。
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