12/16/07

役員の資格制限4(士業3)弁護士法4

病院・・・医療行為の場合は、医師の政治信条や人格的判断などによる裁量の余地が少ないだけでなく、病院の施設、システム改良、仕入れル−トの改善、労務対策など、医師でなくとも出来る分野の比重が大きく、どちらかと言えばむしろ腕の良い医師が、こうした交渉力・経営能力が高いとはいえない・・経営専門家のほうが適性があるでしょう。
これに対して、法律事務所の場合、装置や仕入れ交渉、出入り業者の占める割合が皆無に近く、経営能力を発揮できる分野が殆どないのです。
その場合でも医師・・病院とは違い、営業行為と弁護士業務とは不可分の関係があるので、法律事務所の経営専業者は、トップセールスも出来ません。
病院の場合、大企業と定期健診契約をトップが結んできても、医師はその業務・治療や診察を粛々と進めるだけですから、何ら個々の医師との利害対立の可能性も無く、問題がないのです。
ところが、弁護士業務は敵味方の発生する仕事ですから、経営者が弁護士の業務と無関係に敵対する可能性のある企業相手に勝手に営業行為をしたり、顧問契約をされても困るのです。
法律事務所に経営専門家がいたとしてもその役割としては、セイゼイ事務所内の机の配置レイアウトの相談など一過性の相談程度しかないので、常任的経営者は不要となります。
その上に、規模の面でも数百人〜千人単位の従業員・関係者の出入りする病院とは違い法律事務所は規模が小さいのです。
法律事務所の経営規模をみますと、弁護士数だけで数百人規模が普通になれば、経営に専念する非弁護士と個別事件の弁護士業務とは別になっても内部障壁を作れないことはないでしょう。
ただし、現在では日本全体でも、数百人規模の事務所は10個あるかどうかですし、将来的にも数百人規模の事務所がいくつか増える程度であって、これが普通・・平均的になる時代は来ないでしょう。
現状では、一人または数人〜10人程度の事務所が多いのですから、経営者との業務の分離と言っても経営者の意向が事実上強く反映してしまうので、経営と業務の分離を確保するには無理があるのです。
ひとつの事務所内でバリアーを設けても、本当にバリアーが機能できるかに問題であるので、いまのところ弁護士法では、法律事務所の経営者・・社員資格は、弁護士でなければ認められていません。

弁護士法 昭和24・6・10・法律205号  

第4章の2 弁護士法人(平成13年追加) 第30条の2 
弁護士は、この章の定めるところにより、第3条に規定する業務を行うことを目的とする法人(以下「弁護士法人」という。)を設立することができる。
2 第1条の規定は、弁護士法人について準用する。
(名称) 第30条の3 弁護士法人は、その名称中に弁護士法人という文字を使用しなければならない。
(社員の資格) 第30条の4 弁護士法人の社員は、弁護士でなければならない。

 



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