12/13/07
農地法11(法人化と農家保護3)
ぬるま湯的業界に、相続を機会にホンのちょっとした波乱が起きるのさえ妨害しようとする政策は、何を期待しているのでしょうか? 農地に限らず、中小企業後継者難を言い立て、能力の低い世襲の事業主が脱落しない様に下駄をはかせてやることばかり考えて、新規参入のし難い社会を作って行こうとする政策の方向性は間違っています。
唯一の農地放出のチャンスである相続の機会さえも、相続による農地細分化抑制(実は集積の抑止策です)を名分にして、農政が妨害していこうとする魂胆は、本当におかしなものです。
既存の「農業従事者の所得向上を図ること」が基本姿勢で、他業界からの参入を阻むどころか、同業者同士の相続のチャンスを利用したホンの僅かな競争さえ・・優勝劣敗も阻む政策です。
この結果、一方で農地の拡大をしたい人がいるのに、草茫々でも売らせない荒れた農地が一杯の現状になっているのです。
話を農業の近代化の一方策である法人経営の導入に戻しますと、これら大規模化・近代化を図る政策と言う触れ込みで制定された農政の憲法ともいわれる基本法の制定を受けて、農業協同組合法の改正と農地法の改正によって、昭和37年7月1日の施行により農業生産法人と言う変な組織形態が、農地法で公認されて、法人の経営が漸く公認されました。
しかしながら、これら大規模化・近代化を図る政策と言っても、以下に紹介する条文を見れば分かるように、既存の「農業従事者の所得向上を図ること」が基本姿勢で、他業界からの参入を図るどころか参入敵視政策でした。
個人だけの所有から、個人と会社の中間的所有形態に踏み出す第一歩になったと言えるでしょうが、 第1条に 「・・・農業従事者が所得を増大して他産業従事者と均衡する生活を営むことを期することができることを目途として、農業の発展と農業従事者の地位の向上を図ることにあるものとする」 とあることに明らかなように農業従事者の所得増大が主目的でした。
法人参入の必要性が叫ばれるのは、外部の斬新な企画注入の必要性からなのですが、法律では世間の批判に応えて「法人の参入を認めました」というポーズだけで、実際はそこまで行かなかったのです。
農政の基本はあくまで既存農家保護・・の範囲内の農業改善ですから、法人参入といっても後に紹介するように、部外者・・異業種が設立した法人が参入できないのですから、農業従事=既得権者が法人化する道を開いただけでした。
従来の家族でやっていた農家だけが法人化して、役員はお父さんとお母さん、そして息子という構成で何のメリットがあるの?というだけですから、農業自体の活性化には結びつきませんし、殆どの農家が法人化しませんでした。
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