12/12/07
相続分割と業界保護
16条では、相続に際しての細分化防止というのですが、これは一見細分化防止策のようでいて、むしろ逆に農地の流動化〜集積・大規模化の防止策になっているのです。
経営能力のある人に農地が買収され、集積されるのを法で妨害するための施策を講ずる結果になるのですが、そんな必要はないでしょう。
現在は農家しか、買えない(異業種からの新規参入が事実上出来ない)仕組みですが、それでも売りさえあれば、自然と農業経営の上手な人のところに土地が集まっていくのです。
相続による農地の放出・・買収を活発化すべきだという私の考えは、異業種からの参入だけではなく、同業者同士の売り買いさえも阻止しようとしている政府の政策を防止しようというものです。
農地に限らず、各種中小企業が相続に際して、遺産の分散のために家業を継続できなくなるのを憂えて、これに対する対策を講じることが多いのですが、(ここ10〜14日程前にも中小企業後継者対策というような名称(正確な名称は忘れました)で、そういう政策発表がありました)これも同様に、その業界の発展を期するというよりは、その業界の衰退を推進するための政策になっているのです。
中小企業の後継者難でその会社が廃業するならば、その判断に任せてけば良いのです。
本当にその業種の維持が社会で必要ならば、廃業した分他の会社が売り上げを伸ばしたり新規参入が増えるだけですから、社会全体ではひとつも困らないのです。
企業倒産に関して、10/19/02「会社更生法と日本経済 1(大手ゼネコン倒産の場合)」以下で、金融や建設の例を挙げて書きましたが、世の中の需要に応じた商売が存在するわけであって、その人がやらなくなれば、その分どこかの業者の売り上げが伸びたりするので、結局相続を機会に安定した業界に波乱・・草刈場が発生し、ミニですが真の競争が起きるのです。
新規参入者は、創業資金など膨大な資金が必要です・・・それに加えて、10年単位の経験獲得期間なども必要です。
これに引き換え、親の跡を継ぐ人は、人脈その他無形の膨大な資産を引き継ぐ有利さがある上に、具体的資産でみても、遺産分割して親の資産全部引き継げないまでも、ゼロから参入する人に比べて引き継ぐ資産量が多くものすごく有利です。
これが世襲のはびこるゆえんです。
兄弟に何分の1かを分けても無関係の異業種からの参入者に比べて、相続人は格段に有利なスタート台に立っているにもかかわらず、跡継ぎが、遺産分けに耐えられない程度の商売しか出来ないならば、撤退してしてしまうべきです。
こう言う無能な人がそのままま居座れるようにしようとする政策は、その業界をひ弱にしてしまう政府・役人の老獪な企みかもしれません。
(そうすれば、補助金行政を拡大し、役人や族議員の権限が広がるのです)
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