12/12/07

農地流動化政策と農家保護3(遺産分割・・代償給付)

産業の活性化には、どんな産業でも新規参入の容易さと同業者間の淘汰が重要ですが、これを阻んでいる農政を覆すには、法律上参入の制限をはずすだけでなく、農地の流動化を図ることが必要です。
売り農地がなければ、部外者の参入も出来ないし、農家同士の競争〜淘汰→拡大も進まないでしょう。
もう少し規模拡大すれば、別の農作物に転換できるという農家もいるのです。
自由な販売があれば自由な農業形態が生まれるでしょう。
農地の流動化には、まず豊富な供給・・売り手の存在が必要ですが、農地に関しては、一所懸命の語源のとおり、倒産でもない限り放っておくと売り手が現れない傾向があるのです。
売り手発生には、相続ほどいいチャンスがないでしょう。
兄弟から相続分を買い取れず、かと言って残った農地だけでは細分化でやっていけないならば、そういう人は経営能力がないのですから、やめれば良いのです。
共同相続人が敢えて、相続農地を兄弟には売りたくない、他人に売りたいと主張することは滅多に想像できないのですから、まず跡取りである兄弟に買い取りを打診するのが普通です。
これは、遺産分割の実務では、次男が一旦相続してからの売り買いではなく、(これだと譲渡所得税や不動産取得税、それに登記費用がかかりますので)代償給付という方法で解決しています。
代償給付とは、ある相続人が不動産全部あるいは多めに取得する代わりに、自分の固有の別のお金を代償・・解決金として支払うことで解決する仕組みです。
遺産の中に金融資産がある場合、その取り分を土地取得者が減らして均衡を保つ場合を、代償給付とは言いません。
代償給付とは遺産外の自己資金から払う場合を言いますが、農地(遺産)所有権を相続開始のときにさかのぼって、相続によって取得したことになりますので、(登記原因は相続です)売買代金や贈与の認定を受けません。
では、代償として現金何千万円を取得した方はどうかとなりますが、自己の相続分の代わりに取得するので、贈与を受けたことにはならないのです。
他人が買ってくれないような高い値段の代償給付を兄弟に要求しても断られたら、他に売るチャンスがなく無駄に持っているしかなくなるのですから、普通は他人が買ってくれる値段よりもかなり安くってもいいと提案するのが普通です。
時価よりかなり安くっても農家の承継人が、買い取れない・・・代償金を払えないという場合、他人が買ってくれる値段よりもかなり安くっても買い取るお金のない・・・無理という場合が多いでしょう。
相場以下の売りがあれば買いが入るのですから、もっと高い値段でも買いたい人(うまく農業経営している人)が一方でいるのに、それより安くても買えない人が農地を維持できるようにしようというのが、この16条の条文です。

 



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