12/11/07

農業基本法6(小規模農業の原則4と農家保護1)

わが国では、命がけで土地を守る習性から生まれた「一所懸命」と言い熟語があるように、倒産、破産まで進まないと農地を手放さないのが農家の習性といえるでしょう。
出稼ぎに行っても兼業になっても守れる限度まで守るのが、農民の習性に刷り込まれているのです。
ただし、一所懸命の習慣がついたのは江戸時代になって農民の逃散を恐れる幕藩体制確立以降からではないか?ということを、01/12/06「農民の逃散禁止5(終身雇用の源流2)」で連載したことがあります。
農地開放で、一旦個々の農民に渡してしまったのが、失敗だったのです。
他方で、基本法では前文だけでなく次の第1条でも「農業の発展と農業従事者の地位の向上を図る・・」というのですから、優勝劣敗・・倒産はありえない政策です。
第15条になっても、「家族農業経営者が自立経営になるように育成するために必要な施策を講ずる」というスタンスで、徹底した過保護宣言です。
今回の小沢民主党の参院選勝利の大本も、個別農家所得保障政策というのですから、恐るべき底上げ政策の連続です。
これでは脱落しそうになったら補助金で支えるのですから、脱落による農地の売出しが進まないのは当然です。
むしろ農業の活性化、競争促進のためには、家族農業からの脱却・・淘汰の促進こそが緊喫の課題ではないでしょうか?

農業基本法 第1章 総  則 (国の農業に関する政策の目標) 第1条 国の農業に関する政策の目標は、農業及び農業従事者が産業、経済及び社会において果たすべき重要な使命にかんがみて、国民経済の成長発展及び社会生活の進歩向上に即応し、農業の自然的経済的社会的制約による不利を補正し、他産業との生産性の格差が是正されるように農業の生産性が向上すること及び農業従事者が所得を増大して他産業従事者と均衡する生活を営むことを期することができることを目途として、農業の発展と農業従事者の地位の向上を図ることにあるものとする。
第4章 農業構造の改善等 (家族農業経営の発展と自立経営の育成) 第15条 国は、家族農業経営を近代化してその健全な発展を図るとともに、できるだけ多くの家族農業経営が自立経営(正常な構成の家族のうちの農業従事者が正常な能率を発揮しながらほば完全に就業することができる規模の家族農業経営で、当該農業従事者が他産業従事者と均衡する生活を営むことができるような所得を確保することが可能なものをいう。
以下同じ。
)になるように育成するため必要な施策を講ずるものとする。

 



関連ページリンク

Powered by msearch
稲垣法律事務所:コラム:検索

検索ベースはこちらから

 


コラムTOP

リンクを当コラムにはられる方はお読み下さい

©2002, 2003, 2004, 2005, 2006, 2007, 2008 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design / Maintained by Pear Computing LLC



ブログ
株式投資