12/07/07

農地法9(個人保有・小規模農業の原則3)

農地法第1条では、以下に紹介するとおり「耕作者自ら所有することを最も適当」とする理念を掲げて、家族農業を原則とし、他人を雇用して耕作する道・・・企業化の道を事実上閉ざしてきたのです。
前々回主張したように、農業労働者の雇用がいけないのではなく、雇用条件が近代的労使関係に発展していない点に問題があったに過ぎないのに、雇用を事実上禁止してしまったのですから、問題のすり替えです。
自作農創設措置法では、前回紹介した(3条2項6号)ように法人の存在が予定されていたことから見ると、遅ればせながらも、農業を企業として経営しようとする試みが、終戦時までには既に発生していたことが分かります。
ところが、6年後に制定された農地法では以下のように、個人所有が理想である(裏返せば雇用が事実上禁止)明記されてしまいました。
農地法 昭和27・7・15・法律229号   第1章 総 則 (この法律の目的) 第1条 この法律は、農地はその耕作者みずからが所有することを最も適当であると認めて、耕作者の農地の取得を促進し、及びその権利を保護し、並びに土地の農業上の効率的な利用を図るためその利用関係を調整し、もつて耕作者の地位の安定と農業生産力の増進とを図ることを目的とする。
自創法制定施行から農地法制定までの6年間に、法人農業は、鬼っ子扱いで、いろいろな不利益扱いでを受けて事実上消滅させられてしまっていたのではないでしょうか? 前回紹介したように自創法とその精神を引き継いだ農地法でも、家族労働に適当な規模であるとして、本州では1町歩を原則として、これを越える所有地は原則として買収されてしまう制度でした。
(もちろん購入も許可されない) 個人しか所有できないだけではなく、他人を雇用することが許されない(最も適当でないという)仕組みでしたが、現行法をインターネットで見ると法人も参入できるじゃないかと思う方が多いでしょうが、これは次回以下に紹介するようにその後の改正によるものです。
それでも「耕作者自らが所有することが最も適当」という文言はそのまま現行法で残っているのですから、法人経営はしぶしぶ挿入されたママっ子のままでした。



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