12/28/06

「輸えい」とは?(刑法67)(運輸省)

ちなみに、「輸」とは、財産や力を相手に移して自分が空っぽになることですし、「えい」とはこれを受けて余剰・・ふくらみが出ることで、古来からこの熟語で、勝ち負けによる財産の移転行為を表わして来たのです。
今では、輸出入とか運輸とか言って、「輸」は財産の出入両方(単なる移転行為)を表わしていますが、元は財産が懐から出て行く意味でした。
更にいいますと「輸」とは財産をくり抜いて空っぽにすることですから、人の輸送と言う概念は本来では有りません。
鉄道が出来るまでは、人の輸送と言っても駕かきくらいでしたから、乗っている人の自由が利いて、物扱いでなかったでしょう。
人力車やリヤカーに乗せてもらっているのと同じで、嫌なら直ぐに降りられたのです。
馬車の時代も自分で手綱を握ったり、そうでなくとも自分の従者が、手綱を握っているのですから、自分で操作している(支配下にある)のと理屈は同じでした。
これが駅馬車・辻馬車が発達してくると、人の輸送の始まりになってきます。
鉄道になると、客の方は乗ってしまえば、どこへ行くか、どこで停止するかの自由は全くなくなります。
(停止してからの乗り降り・・・積み下ろしを自分でする・・自動化しているだけで、その他は物と同じ扱いです。)
中国や日本では、この種の発達がなかったので、人を運ぶ(人が客体になる)と言う漢字が発達しなかったのです。
そこで、日本では、輸送と言う言葉が一般的用語となっていて、その後人を運ぶのも産業となってきたので、「輸」の概念が人も含む移動(出るだけでなく入るのも含む)概念に広がってきたのです。
ここで、運輸概念の制度由来をたずねますと、明治以降、鉄道が徐々に広がりますが、鉄道に関しては最初は工部省の一部の鉄道係りとして始ります。
人や物を運ぶ意味よりは、近代化のために鉄道設置工事技術の獲得が関心の中心だったからでしょう。



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