12/18/06
離婚と年金分割制度5(一部分割のメリット)
勿論、裁判での財産分与請求による解決では、将来に渡って直接年金を受け取れないのが、難点でした。
12/11/06「年金担保融資の弊害1(厚生年金保険法6)」のコラムで紹介しましたが、年金受給権は差し押さえ禁止ですし、譲渡も禁止です。
もう一度条文を紹介しておきましょう。
厚生年金保険法
(受給権の保護及び公課の禁止)
第41条 保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。ただし、年金たる保険給付を受ける権利を別に法律で定めるところにより担保に供する場合及び老齢厚生年金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押える場合は、この限りでない。
2 租税その他の公課は、保険給付として支給を受けた金銭を標準として、課することができない。
ただし、老齢厚生年金については、この限りでない。そこで、裁判では、資料が揃っていて立証が出来ても、これを考慮することが出来るだけです。
年金受給権そのものの分割を命じられないし、和解で年金分割の合意(法的には一部譲渡でしょう)も出来ません。
勿論差し押さえも不可能です。
裁判や家事調停では、将来夫が受け取れる年金額を、現価計算(中間利息控除・・・具体的にはホフマン・・ライプニッツ方式があります)して、離婚時の現金またはその評価額相当の土地建物などを夫よりも多く受け取ることにするしかなかったのです。
ですから、年金の分割が出来なくとも、理論的損得勘定としては同じです。
しかし、かなりの人は、お金があれば使ってしまうのが普通ですし、他方で長寿社会で先が読めないことから、年金制度と言うものがあるのです。
年金制度と言うのは、小人・・・庶民と言うものは、持ちなれない大金をもつと直ぐに使ってしまう傾向に応じた制度でもあるのです。
この制度の恩恵に、浴せないのはかなりの損害です。
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