12/17/06

離婚と年金分割制度1(厚生年金保険法8)

そこで、このたびの平成16年改正で、ようやくにして離婚に際する夫婦間での年金分割制度が、平成19年4月1日から発足するようになったのです。
(私の上記コラム掲載が、09/17/02ですから、制度改正より約2年早かったことになります。このように、実務が法よりも、先行していて、これを受けて法改正になるのです。
ただし、今回の年金分割制度は、喧伝されている割には、以下に紹介するように不完全な分割制度ですから、この分割だけでうっかり満足してしまうと損(誤り)しますので、注意が必要です。
制度説明では、「当事者の合意だけで出来る」とあるので、安易に「半分分けなら良いか」と離婚合意してしまうと、取り返しがつかないでしょうから、そのときは弁護士によく相談してからにする必要があるでしょう。
注意すべきは、社会保険庁の出してきた数字の半分分けなら、公平になったわけではないということです。
と言うのは、公正証書にした分割合意または裁判所の手続(裁判・家事調停手続)によって、過去に遡って2分の1まで分割されるのですが、この分割対象は報酬比例部分に限られています。
社会保険庁から数字が出されると、その検証が自分でし難いので、うっかりし勝ちですが、社会保険庁で出してくる数字は、年金の全部ではなく報酬比例部分だけであることに気をつける必要があるのです。
この分割は、国民年金部分(基礎)や、確定拠出年金や上乗せの企業年金部分が除かれます。
基礎年金部分は、男女差のない建前・・またもや法の中立を利用し(不公正)、それぞれ配偶者が自分で掛けているだろうと言う解釈でこのような半端な改正になったようですが、実際には専業主婦などは加入していないことが多いのですから、本当はごまかしです。
夫婦どちらか一人しか、国民年金をかけていない場合といえば、圧倒的に女性の方が多いでしょうから、法の中立性という名に隠れた不公平な法になっているというべきでしょう。
仮に対等に加入しているならば、その配偶者はその分割を求めることはないのですから、基礎年金をわざわざ分割対象から除かなくとも、当事者に任せれば、何ら不都合がない筈です。



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