12/17/06

生活保護受給者激増の構造1(厚生年金保険法7)

ここで、少し話が変わりますが、年金制度と生活保護の関係に入ります。
厚生年金(年金基金など)が完備していて、月額20万前後以上支給されるサラリーマン層は、普通は既に住宅ローンも終わっていて家賃も要らず安心ですが、これは国民の中で割と恵まれた方です。
いわば、中流の中以上と言うところでしょうか?
いわゆる社会保険完備の条件で働いてきた人は、基本的に55年体制下に組み込まれて来た与党・・受益者と言えるでしょう。
高齢者のうちで、国民年金だけの人や国民年金を掛けて来た期間の少ない人、全くかけてこなかった人たちは、55年体制からはみ出した・・・・多くは現場労働者や個人零細事業主です。
あるいは、社会保険加入者でも、私の事務所のような零細事業体で加入しているに過ぎない事務員さんなども、自分の厚生年金保険だけでは生きていけないでしょう。
55年体制は、経済的に見ると大企業中心の労使が恩恵を受け、男女別に見ると男性だけが恩恵を受けるシステムだったともいえるでしょう。
法が男女差別をしていたのではなく、一見中立ですが、女性は結婚でいったん家庭に入り子供が育って再就職するときには、終身雇用制の日本では、もう一度1流企業に就職出来ても、勤務期間の短縮の不利があります。
ましてや、殆どの女性にとっては事実上パート勤務しかない社会実態からすれば、法の中立性を強調することは、結果的に女性に不利な制度になることは明らかです。
元教師であっても、銀行員であっても男子の底辺労働者と同じ、パート・・保険もない労働者になるのが普通です。
このために、離婚した女性が、子供が大きくなるまでは・・・・と若いころにパートその他で、必死に働いて来たのですが、イザ子供が成人してみると、今度は自分が生活していけない事態に気づくのです。
こうしたことに、多くの女性が気づき始めて、あるいは弁護士も気づいて来たので、近年では離婚条件として、夫の将来取得予定の退職金や年金分も含めて財産分与請求をするようになっていたのです。
こうした実情については、09/17/02「離婚と慰藉料 (財産分与) 2」前後で、紹介しましたが、離婚したら老後食べていけないのではないかという不安が、離婚の自由を実質的に制限していた面があった点を否めません。



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