12/13/06

債権譲渡(担保)の不明朗性2

全額債権譲渡方式が、債権者にとっていいことづくめと言うことは、債務者あるいは第三者の視点から見れば、別の問題があります。
たとえば、月に5000万円の売上があって、最初の業者から月額100万円支払い約束で借金した場合、売上金全額譲渡するとその業者から毎月4900万円のバックがある計算ですが、もう1社から月額100万円の支払いの融資やリースを組みたいときに、表向き全額譲渡ですから、もうこれ以上よそから借りられないのです。
要するに「浮気をしなけらば良いだろう」ということですが、競合他社からもっと有利な条件・・・金利が安い・・返済期限が長いとかいろいろあります。
このような債務者の選択権・・資産利用のチャンスを奪うのは行き過ぎでしょう。
また、第三者が別の債権で差し押さえをしたいときにも、全額譲渡されているので、差し押さえが法律上できません。
一種の差し押さえ禁止財産を造ったようなものです。
これと似た事例では、不動産担保にもあります。
抵当権なら、登記事項証明に記載された抵当債権額を見ただけで、第三者にもその不動産の担保余力が分かりますので、合理的です。
これを譲渡担保や代物弁済予約の仮登記(いずれも所有権・・甲区登記です)にしてしまうと、債権額が第3者に分からず、不確定になってしまうのです。
ただ、債権者にとっても、甲区だけでは担保実行が不確実ですので、平行して抵当権の登記をするのが普通です。
そこで第三者は、そこを見れば債権額が、公示されていることになるのです。
これに比べて債権譲渡では、その内容(いくらバックされているのか、借金の総額も何もかも)が全く分からないどころか、債権譲渡の事実の有無さえ知る方法がないのですから、いわゆる公示の面から見ても不透明そのものです。



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