12/13/06

債権譲渡(診療報酬債権の不確実性?)

一般の債権者が、債権担保にお金を貸す場合には、こういう分割の便法は利用されません。
ところで、今ではお金を貸すときに債権質を利用するのは滅多になくて、質権設定ではなく債権譲渡の手続をするのが普通になっています。
この後でに、債権質権設定の手続きを紹介しますが、債権譲渡と同様の手続きが必要ですから結局はまるごと権利譲渡のほうが、債権者にとっては簡単明瞭でしかも強力だからです。
民法の地上権は物権として規定され、強力なので、地主はもっと弱い債権でしかない賃貸借契約にしたがるので、今では新規の地上権設定は、皆無に近くなっているのと同じです。
物権と債権の違いについては、11/14/03「相続と世襲3(民法113)物権と債権1」で少し触れましたが、別の機会にまた詳しく紹介します。
ところが、債権譲渡では、年金担保のように、縦割りが出来ないので、(する気になれば、工夫できるでしょうが・・・)例えば5000万円貸すと5000万円に満つるまで毎月の売上(例えば600万円)を全額移転してしまうので、実際は裏でバックしているようです。
この計算で言えば、実際は5ヶ月で回収できる筈ですが、実は2年間の売上金全額の譲渡をしてしまうのです。
実際の返済約束が、月額250万円(元利)づつとすれば、一旦売上金を全部取得してから、毎月4750万円づつバックすることになります。
こういう便法がありますので、分割の工夫が生まれないのでしょう。
医師や病院の、国保連合会や支払い基金に対する診療報酬債権が、金融の担保として債権譲渡される(例えば期間2年間などとして)のが、一般的になっています。
ちなみに、いわゆる町金融だけが利用していたときには、将来債権である診療報酬債権の性質から、期間2年程度までは有効と言う最高裁の判例がありました。
これに従い2年以上は、無効の危険があるので、期間2年で運用されていましたが、リース業者が参入してきてからは、もっと長くともいいと言う最高裁の判例になってきました。
このように、診療報酬債権の内容が昔も今も何ら変化がないのに、最高裁の判例理論と言っても、利用者の変化によって結論が違ってくるのです。
私は、元々変な判例(と言うよりは学者の解説に対して・・納得していないのです。)だと思っていましたから、この判例変更には賛成です。



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