12/12/06

質権2(民法176)(天引き)

ここまでは、原始的質屋の概念です。
これが次第に社会が発展してきますと、いろんなものが質の対象になってきます。
昔良くあった「人質」など許されなくなったものもあります。
今、人質に取ると刑法の監禁罪になるでしょう。
国家が人質をとっても、逮捕したとか、未決勾留したと言うだけで、犯罪になりません。
民間でやれば犯罪になることでも、国家がやれば違法ではないというものが、いっぱいあります。
その最たるものが、競輪競馬などの賭け事でしょうか?
この問題は別に書くとして、質権に戻ります。
宝石などからの発展過程を省略しますが、最後に権利という目に見えないものも対象になってきたのが、現在社会です。
皆さんが住宅ローンを組むと生命保険契約もセットにすることが多いと思いますが、この場合、質権を設定しなくとも保険の特性で、受け取り人を銀行にしてしまえばいいので、受け取る権利に質権を設定する場合は滅多にないでしょう。
前回コラムで動産の質について占有が必須であることを紹介しましたが、債権質も、占有の代わりに債権譲渡と同じ手続を踏む必要があります。
そうすると第3債務者(質入した人の債務者です)は、その通知後には、元の債権者に債務の支払いをしても、債務弁済の効力がなくなります。
この結果、年金請求権を質入したときには、借入金の完全返済までは100%天引きされるのが原則でした。
法的には天引きではなく、権利が移転してしまっているのですが、5割だけと言う制度になってからは、受給者にとっては天引きされている印象になっているので、殆どの相談者がそのように言います。
私もそのように表現した方が、皆さんに分かり良いと思って、このように使います。
これが、何年か前に毎月の年金額の半額だけ移転でも良いように、改正されたことを、後のコラムで紹介します。
それ以降は、支払方法が「天引きされている」と一般的に言うようになったのです。
本当は天引きではなく、半分だけ縦割りに質権者に移転するように出来るようになったのです。
 



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