12/12/06
質権2(民法176)
ここまでは、原始的質屋の概念です。
これが次第に社会が発展してきますと、いろんなものが質の対象になってきます。
昔良くあった「人質」など許されなくなったものあります。
途中を省略しますが、最後に権利という目に見えないものも対象になってきたのが、現在社会です。
皆さんが住宅ローンを組むと生命保険契約もセットにすることが多いと思いますが、この場合、質権を設定しなくとも保険の特性で、受け取り人を銀行にしてしまえばいいので、受け取る権利に質権を設定する場合は滅多にないでしょう。
前回コラムで動産の質について占有が必須であることを紹介しましたが、債権質も、占有の代わりに債権譲渡と同じ手続を踏む必要があります。
そうすると第3債務者(質入した人の債務者です)は、その通知後には、元の債権者に債務の支払いをしても、債務弁済の効力がなくなります。
この結果、年金請求権を質入したときには、借入金の完全返済までは100%天引きされるのが原則でした。
これが、何年か前に毎月の年金額の半額だけの天引きでも良いように、改正されたことを、後のコラムで紹介します。
以下の条文です。
権利といっても、財産権だけで、人権や人を質(人質)にトルことは許されません。
これが362条第1項の規定の意味です。
(権利質の目的等)
第362条 質権は、財産権をその目的とすることができる。
2 前項の質権については、この節に定めるもののほか、その性質に反しない限り、前3節(総則、動産質及び不動産質)の規定を準用する。
(債権質の設定)
第363条 債権であってこれを譲り渡すにはその証書を交付することを要するものを質権の目的とするときは、質権の設定は、その証書を交付することによって、その効力を生ずる。
(指名債権を目的とする質権の対抗要件)
第364条 指名債権を質権の目的としたときは、第467条の規定に従い、第三債務者に質権の設定を通知し、又は第三債務者がこれを承諾しなければ、これをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。
(指図債権を目的とする質権の対抗要件)
第365条 指図債権を質権の目的としたときは、その証書に質権の設定の裏書をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない。
(質権者による債権の取立て等)
第366条 質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立てることができる。
2 債権の目的物が金銭であるときは、質権者は、自己の債権額に対応する部分に限り、これを取り立てることができる。
3 前項の債権の弁済期が質権者の債権の弁済期前に到来したときは、質権者は、第三債務者にその弁済をすべき金額を供託させることができる。この場合において、質権は、その供託金について存在する。
4 債権の目的物が金銭でないときは、質権者は、弁済として受けた物について質権を有する。
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