12/07/06

外圧と家督相続制廃止1(自作農)

農民全部が自営農民になった戦後の農地開放(具体的には、自作農創設措置法です。)については、アメリカに押し付けられたからと言って、元小作民は誰も反対しませんが、みんなが土地所有者になってみると、田分け=均分相続は困ると言うことになってきます。
家督相続制は、既に戦前から破綻し、長男にとって却って重たい制度になっていたのですが、新規参入者(小作から自作農になったばかりの人)にとってはさしあたり、あり難い物にみえたのでしょう。
こうして
「家督相続制廃止は、外圧によったから、我が国古来からの淳風美俗に反するので反対!」
と言う新しい支持者を得たのです。
自作農創設の戦後政治・社会に及ぼした影響(主として保守化傾向)は、その他にも多いのですが、その点は、また別の機会に書きましょう。
ただ、既に家督相続制破綻の実態を政府は知っていますので、昭和33年相続税法は、均分か家督かの意見には中立にして、
「長男に集めたければ集めてもよいし、配偶者に集めても良いし、均分も良い。」
どちらにしても課税総額は変らないと言う税制にしたのでしょう。
こうすれば、社会意識の変化になだらかに対応していけるのです。
現に同じ税制のまま、最近の都市住民の相続では、事実上母親に集中する運用が定着しているのです。
以上見て来たように、外圧によって制度が出来たり改正されたりしたとしても、その内容実質が良いかどうかではないでしょうか?
憲法も同じことですが、・・・・・自由にものが言える、その他の権利を求める本来の主張がたまたま強権で押さえ付けられていただけなのに、庶民の意識では、今、自由にものが言えるのは、アメリカに押し付けられたからということになるのでしょうか。
結局憲法改正問題も、農地解放も言論の自由も、そうですが、これが外圧によったかどうかではなく、内容が我が国社会実態にあっているか、これから進むべき方向に合致しているかどうかで判断すべきしょう。



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