12/14/04
地方都市と観光行政5(地方の独自性1)
ところで、観光行政と言っても当面やっていることは、オリジナリテイの発揮よりも、成功した自治体を模倣した石畳遊歩道の整備や、街灯を江戸時代風(常夜灯形式)にする、トイレを江戸時代の時代劇風にするなどの土木工事が中心です。
重工業とちがって、サービス化(ソフト産業)は、模倣よりもオリジナリテイが重要です。
厚生省の外郭団体のやっていた、大規模保養施設グリーン、ピアの失敗も同じことではないでしょうか?
グリーンピアが最初に出来たころは、その大規模性、内部で十分遊んで楽しめるその完成度からいって、私の考えでは、一級と言うよりも特級の保養地でした。
私の旅行はこれまで何回も書いているように、いつも1週間前後一箇所で過ごすタイプでしたから、家族で鹿児島県の指宿・グリーン・ピアなどを繰り返し利用していましたので、上得意だったと思います。
ただ、南紀勝浦であれ、どこであれ、他のグリーンピアに行って見ると殆ど同じコンセプトで全国あちこちに作っているのには、幻滅でした。
シェラトンホテルなどが、全世界同じコンセプトで展開しているのは、最先進国と自負しているアメリカ人にとっては、異国で事情の分らない(サービスの劣悪と思われる後進国ばかり?)ホテルに泊まるには、一定水準の保障は、旅行者や出張者にとっては安心できるものでしょうから、意味があるのです。
しかし、事情の知り尽くした国内旅行者相手に、全国どこでも同じサービスを売り物にするのは、意外性・変化を求めて旅行する旅行者心理を無視したものではないでしょうか?
観光客にとっては単に夜泊まって眠るだけのホテルでも意外性がほしいものですし、まして観光資源がどこへ行っても同じでは艶消しです。
行政担当者は、先進地域を視察(真似)するのが好きですが、その結果やることは同じで、土木工事に偏る傾向のある今の観光立地政策では、全国どこも同じような街づくりばかりになってしまい、(イルミネーションが良いとなれば日本中でやってますね)行きづまるのではないでしょうか?
まさか行政には、独創性を必要としないと誤解しているとは思いませんが、模倣は行政がとっつき易いのでしょう。
また、私の関係する司法修習生の受け入れ問題では、裁判所や検察庁は、地域が違っても受け入れるサービスが平等でなければいけないとの原則論で、支部は本庁同様の指導体制がないので支部修習は受け入れられないとの形式論を長年主張しています。
また我々弁護士でも、司法修習生の給費制が廃止になる以上は、修習地が東京近郊か遠隔・僻地かによる不平等を修正する費用の手当てだけは、考えるべきだと言うもっともな意見もあります。
これも考えて見れば、小泉首相の言うとおり「人生いろいろ」で、不平等な結果と言うのは常に付きまとうのですから、(今でも、就職活動などは地方修習生は不便で不利ですが、考えればいつも何事でもこうした落差があるものです。)「何でもいつも平等に」と言う主張は、むしろ控えめが良いのかもしれません。
際限なく「公平に公平に」といってると、共産主義国家のように画一的な官僚国家になってしまいます。
地方分権や民主主義を唱える弁護士が、他方で地域格差をテーマに政府を追求するのはどうかな?というのが私の感想です。
関連ページリンク
稲垣法律事務所コラム内:ゆとりに関するコラム
©2002,
2003, 2004, 2005, 2006 稲垣法律事務所 ©弁護士 稲垣総一郎
Design
/ Maintained by Pear Computing LLC