12/01/04

簡易裁判所とは?2・・・・裁判所法 8

警察署が簡易に処罰していたものを、裁判所に取り込んだに過ぎないものですから、裁判官も我々のような司法試験に合格した本来の法律家ではなく、内部試験で昇進する簡易な仕組みとなったのです。

裁判所法をもう1度見てください。

(簡易裁判所判事の選考任命)
第45条 多年司法事務にたずさわり、その他簡易裁判所判事の職務に必要な学識経験のある者は、前条第1項に掲げる者に該当しないときでも、簡易裁判所判事選考委員会の選考を経て、簡易裁判所判事に任命されることができる。
2 簡易裁判所判事選考委員会に関する規程は、最高裁判所がこれを定める。」

前条第1項というのは、正式な裁判官の任命資格・・・基本的には司法試験合格者・・司法修習修了者に限られるのですが、「前条第1項に掲げる者に該当しないときでも」採用できることになっているのです。
もともと警察限りで処罰していた簡易なものを扱うに過ぎないのだから、それなら簡易裁判官の資格は、裁判所内部で選考するだけで良いのでないかと言う発想です。
それでも、これまでの警察署が自由に処罰していたよりましだろうと言う訳です。
それはそれで少しでも前進というわけで、戦後改革として、みんな納得したのでしょうが、資格要件は内部昇進でオーケーとして緩めたままで、権限ばかり毎年のように広げているのは問題です。
こういうやり方は、実質的に観て憲法違反とまではいえなくとも三審制を潜脱するもので、問題です。
当初は、刑事事件でも罰金以下が原則で権限が極めて限定されていたのですが、裁判所法の改正?の度に権限が拡張されて来たばかりか、今年も民事の金額が90万円から140万円に大幅に引き上げられました。
この10年間以上物価が上がっていないのですから、金額を引き上げるのは、実質的に簡易裁判で決められる範囲の引き上げでしかありません。
徳川幕府の町奉行所は、本来将軍が最終的な裁判権を持つべきところを、何から何まで将軍が出来ないから簡易なものについては下役に任せているだけと言う建前ですから、大きな事件或いは高級武士に関しては別に裁判するのは、当然です。
そういう意味では、日本国憲法下では、裁判はすべて司法権に属するのですから、裁判所の裁判権には制限があるべくもないのですが、簡易裁判所に限っては、本来の司法権ではないから、(内部昇進の裁判官による裁判では憲法の予定する裁判とはいえないでしょう。)罰金以下の刑に限定されていたともいえます。
これが例外規定の繰り返し追加の結果、次第に懲役刑も課せられるようになってきたのですから、裁判官による裁判を保障した憲法秩序の潜脱とも言えます。
簡易裁判所の権限を広げていくならば、これに比例して裁判官の資格も厳格化すべきでしょう。
ただし、08/20/03「令状発行権者は、誰か?(憲法26)」のコラムでふれましたように、憲法制定時には、憲法記載の「司法官憲」の意味が決まっていなかったのですから、1概に憲法違反とは言えません。




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