12/22/03

刑罰の種類5「公事方御定書4」(財産刑)と刑法

公事方御定書の刑罰には、財産刑というものがあります。
財産刑には、闕所と過料があって、闕所は主として重罪に科された付加刑で、重いときは家屋敷、家財の没収までありました。
過料は罰金刑のことで、今の過料とは違います。
刑法を見ましょう。

刑法
第二章 刑
(刑の種類)
第九条 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。

上記の条文のとおり、今の金銭刑は罰金と科料のみがあって、過料は行政罰でしかなく、刑ではありません。
例えば出生届転出入届を正当な事由がなく2週間以内にしないときは、過料の制裁があるというのは、この類で、行政秩序罰と言われています。
この違いを表すために、「過ち料」と、「とが料」と言い分けることがあります。
いまの刑法では、刑罰の種類は全部で上記の引用のとおりしかなく、罰金は財産刑に似ていますが、財産の取り上げが目的ではなく、懲罰の中で、自由刑よりも軽いものとして設定されているのですから、財産を根こそぎ取り上げるような刑というものではありません。
ちなみに、皆さんのおなじみの交通事故の罰金を紹介しておきますが、罰金の最高額は以下のとおりでしかないのです。 

刑法
(業務上過失致死傷等)
第二百十一条 業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、五年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。重大な過失により人を死傷させた者も、同様とする。

ただし、財産刑と似たものに、没収と追徴があります。

刑法
(没収)
第十九条 次に掲げる物は、没収することができる。
 一 犯罪行為を組成した物
 二 犯罪行為の用に供し、又は供しようとした物
 三 犯罪行為によって生じ、若しくはこれによって得た物又は犯罪行為の報酬として得た物
 四 前号に掲げる物の対価として得た物
2 没収は、犯人以外の者に属しない物に限り、これをすることができる。ただし、犯人以外の者に属する物であっても、犯罪の後にその者が情を知って取得したものであるときは、これを没収することができる。

没収と言う言葉の意味からは、財産が全部没収されてしまう印象をうけますが、そうではありません。
次回のコラムで、上記条文の内容を見ていきましょう。




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