12/25/02

民法の限界2(民法28)

民法制定時の思想について触れたついでに、その後の変遷と限界についてほんの少しだけ説明しておきましょう。
近代法が前提とした市民・教養と財産を有する人格者ばかりでなく、勤労者階級が法律に参加して来ますと、(政治学では大衆社会の現出といいます。)人格者同志の対等な関係を前堤とした法律システムが、あちらこちらで破綻を来すようになります。
最近では勤労者どころか、30歳になっても、マトモな仕事をしない、精神的にも、未成年者みたいな未熟者が増加している社会現象があります。
それに消費者は、生産品の情報がない為に、生産者と対等な交渉が出来なくなっています。
11月26日のコラムにも書きましたが、(民法の限界)市民社会から大衆社会への移行に伴って、民法の雇用契約に対する、労働法分野の特別法、賃貸借契約に対する、借地法、借家法、不法行為における無過失責任論の発達、契約法における、消費者保護法などなど、数え上げればきりがないほど20世紀にはいって修正されて来たのです。 
労働者の次に、消費者と言う新しい社会的弱者が法律の世界に登場して来ますと、割賦販売法、訪問販売法、宅地建物取り引き業法、サラ金2法といわれる貸金業法、先物取り引き
など次々と制定されるようになりました。
平成13年からは、消費者保護の為の基本法として消費者保護基本法の外に、消費者契約法が、施行されるに至っています。
20世紀になって市民社会に労働者が参入した事によって、市民の法である民法に対して社会法と言われる、工場法などによって、労働者の勤務条件を個別に保護していた後に、戦後、労働基準法(工場勤務者に限らず保護される)等の基本法が制定されるようになったのですが、これと同じように、今度は、消費者と言う社会階層の出現によって、20世紀後半頃から消費者保護に関する個別の立法が相次いだ結果、消費者保護基本法だけでなく消費者契約法までが制定されるに至ったのです。
この法律の画期的な所は、第3章で、消費者に不利な特約の全面的無効とする条文が制定された事です。借地法や、借家法の、片面的強行法の制定を思わせる快挙でしょう。
製造物責任法や、いま問題になっている個人情報保護法案も同じ系譜にあると言えるでしょう。
但しこれら特別法の制定により、その基本法である民法の必要性が減じるものでないのですが。民法と特別法の関係については、また別の機会にに書く事にします。




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