12/24/02

行為無能力者と意思無能力者(民法27)

ここでもう一度おさらいですが、『意思無能力者』と『行為無能力者』とは同じではありませんのでゴッチャにならないように気を付けて下さい。
却って分からなくなるかな?
行為無能力制度とは、行為無能力者(未成年者や被後見人)が、仮に意思表示能力があるときに法律行為をしても、(19歳の少年や精神病者でも、病院から退院して、調子の良い時など意思能力のあるときがあります。)表意者の保護の為、(実際は家産保護であると言うのが私の考えです)法定代理人(後見人や親権者)が取り消す事ができると言う制度です。
これに対して、意思無能力者の場合は、何らかの意思表示らしき事をしても、そもそも、法律行為とは言えないので、法律効果が発生しないのですから、取り消す必要もないのです。
狂人が訳の分からない事を口走っても、何の効果も生じませんし、4歳の子供に向かって、
『このお家くれる?』と聞いて子供が『うん』とうなづいても、それは意思表示ではないので元々何の効力も生じないのです。(正確には無効以前の問題で不成立と言います。)
ですから法定代理人が取り消す必要がありません。
では、何の為に、行為無能力制度があるのでしょうか?
繰り返し書いて來ましたので、大方の方はおわかりかも知れませんが、未成年の場合で言えば、8〜12〜13歳くらいになってくると、意思能力があると言えるかどうか難しい場合が予想されます。
精神病で入院していた人が退院して来て、取り引きを申込んで来た時にその有効性が分からず困ります。
そこで未成年者や、成年被後見人の法律行為は、原則として、(例外があります)一律に、法定代理人が後日取り消せる事にしたのです。
そうすれば、取り引きの後になって、その子供は年の割りにしっかりしているかどうかとか、あの時は正常であったかなかったかと言う争いが防げるからです。
取り引きの相手方も、未成年者や被後見人と取り引きする必要がある場合には、初めから親や、後見人を相手に交渉すれば足りるので、もの事が合理的に進むメリットがあります。




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