12/22/02
法律行為 1(民法25)
人の行為にはいろいろな種類の行為がありますが、民法上の区分で言えば、事実行為と法律行為の分類が重要です。
皆さんも時々『事実○○』とか『事実が証明している』、『事実上○○』などの言いまわしを何気なく使っていると思いますが、事実行為と法律行為の区別をあまり考えた事がないと思いますので、この機会に少し解説しておきましょう。
法律行為とは何でしょう?あまり聞きなれない言葉だと思いますが、法律家にとってはとても重要な言葉です。
法律行為とは、ズバリ言えば、『その行為によって、一定の法律効果が生じる行為』を言います。
私なりにかなり噛み砕いて、誰にでも分かるように書いたつもりですが、読み返してみると分ったようで分からない言葉ですね。
たとえば、『パンを売って下さい。』と言ったり、何も言わずに、パンを手にとって差出すと、パンを買う『申し込み」をした事になり、店の人が『はい。』と言えばもちろん、何も言わずにパンを手渡すと、『その申し込みに応じた』事になって、『契約が成立』します。
そうすると、売って下さいと言った人は『パンの代金支払う法律上の義務』が生じ、ハイと答えた人は、『パンを引き渡す法律上の義務』が生じます。当たり前ジャンと思うでしょうが、このように自分の行為(発言)によって、法律上の権利や義務が発生する行為を法律行為と言います。
最近は、スーパーやコンビニでの買い物が中心ですから、何も言わずに品物とお金のやり取りが殆どだと思いますが、法的には同じ事になります。
人の一定の行為に対して、一定の法律効果を発生させる為には、その行為はどう言うものである事が必要だと思いますか?
日常的な言葉で言えば、『一人前の人間が、自由な立場で普通の精神状態で、発言や行動した以上は、その言葉や行動に責任を持ってもらいたい』と言うのが一般的だと思いますが、これをちょっと難しく専門的にしただけで、内容は同じだと思って下さい。
法律用語としては、『発言や行動』の代わりに、『意思表示」と言います。自分の意思を外部に表示する事を言い、『幸せなら態度で示そうよ!』と言う歌の文句のように、発言に限らず、行動で現わす黙示の意思表示すらあります。
いずれにせよ、法律効果が与えられる行為の中核は、意思表示であるとされています。
行動があっても、そこには行為者の意思が必要だからです。
では何故意思『表示』と言うのでしょうか?
意思には『内心の意思』と『表示された意思』がありますが、法的効果が生じるのは、表示された意思に対してだけなのです。
表示された意思と内心の意思が、合致していないときの法律効果については、また別に書きますので、このコラムでは『表示された意思』、すなわち『意思表示』が法律行為の中核である事だけ理解していて下さい。
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