12/06/02
出生の時期(民法17)
やっと胎児が出生する所まで話が戻って来ましたよ。
何と言っても、人間の権利は出生しない限り始まらないのです。
脳死問題と同じで、何時出生したかと言う問題は、やはり決めておかなければなりません。
そんな事、なんで問題になるんですかあ?と言う疑問があるでしょうが、親に知られたくない妊娠の時に、生まれて来た子供を殺したときや、出産途中で死んだときなどが問題になります。
胎児段階なら殺人ではありませんし、出産後となれば殺人罪です。
そこでどの時点で出産したと言うかの考え方に、2説あります。その一つは、一部露出説、その2つめは、全部露出説です。
刑法学では一部でも露出すれば、母体に危険を及ぼさずに危害を加えられるので、一部露出説が通説と言われています。
民法では、法律効果を考える必要性の観点から、考えますので、何も慌てて一部露出段階で認める必要がないと言う考えで、全部露出説が通説と言われています。
この結果、一部露出段階で生きていて、完全に生まれるまでに死んだ場合、死産と言う結果になります。こういう場合まで相続させる必要がないと言う事でしょうか。
こんな事まで学者が真面目に議論しているのかあ、暇だなあと思う人もいるでしょう。
有名な所では東邦大學の先生みたいに、結婚も諦めて(相手も居たらしいのに!)遥か南の島へ通い詰めて、絶滅の危機にあった『あほうどり』の、保護の為にコロニー造りに黙々と頑張っている例もありますし、殆ど誰も知らない所では、進化論を立証する為、またはその間違いを証明する為に?京都大学かどこかの先生が、既に引退した先生から現在の先生や次の若手に引き継いで、もう4〜50年に亘って、毎日研究室の真っ暗にした部屋で、更に、真っ暗な箱に飼っている蠅に餌をやって延々と蠅の世代交代を繰り替えさせて、何百、何千何万世代の交代をさせると、いつかは、視力が退化して、目がなくなる?筈と言う仮説をたてて、実験に挑んでいるそうですよ。
息子が京都大学の博士になって大学で難しい研究をしていると、鼻高々の親御さんが、自慢の息子が大学で朝から晩まで蠅の世話をしていると知ったら驚くでしょうね。
暇な話だなあと言っては失礼ですが、世の為にいろいろ考えて生きている人々がいると思ってくださればいいでしょう。
ちなみに、蠅は幾らでも生まれて来ますので、時々その一部を放してみるそうですが、30年も40年も閉じ込めていても、暗闇から出すと、一直線に光に向かって飛び立ってしまうそうです。
進化論も大変な事ですね。
ま、こういうわけで、学者がああでもないこうでもないと考えた結果、民法上人間の仲間入りするのは、全部生まれてからということになっています。
人間と認めてもらう始まり、胎児の権利能力について随分長い間おつき合い頂きましたが、このコラムで、やっと終わりになりました。
でも民法第1条の3が終わっただけで、まだ第1条の1と2が残っていますが、これは難しいので、機会があれば、触れる事にして、次からは、はれて人間になった後の事を解説しましょう。
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