11/29/07
農地開放政策の意義3(GHQの占領政策1)
話が明治政府の農業政策にそれましたが、現在の破産や再生法の制度は、生産手段の取戻しまでは認めない現在の社会状態を反映した新種の徳政令というべきです。
(鎌倉時代に朝廷の行っていた徳政・仁政の仲間です)
破産は財産を破綻させる意味ですが、財産と言えるほどの資産のない人が行き詰って、青息吐息の借金だらけの人が、(元々取られる財産は何もない階層ですから)財産を取り戻すのではなく、息を吹き返すだけの手続きを再生・・・再び生まれる法とは、言い得て妙ではありませんか!
この辺で、平成19年11月26日・・・1「農地開放政策の意義1(徳政令)」の続きに戻しましょう。
戦後の農地解放・・・農地の強制買収と零細農民への再交付(低廉な価格での売り渡し)となると、徳政令や棄捐令に似ています。
しかし、生産手段の取り戻しとはいっても、この間に社会の仕組みが変わっているのですから、結果的に農村社会構造を敗戦時の50〜60年前の明治初期以前の社会に巻き戻す行為となります。
江戸時代や鎌倉時代の御家人救済は、社会仕組みが変更されてしまうと幕藩体制が持ちませんから、担保流れになる前に取り戻させた・・担保解除させり、その実行を阻止したにすぎないものでした。
これに対して、明治以降に発生した小作人は、既に一旦自作農地を担保流れでとられてしまったり売却して小作人に転落してしまった完了形の事柄の回復ですから、社会組織に与える効果が本質が違うのです。
農地解放政策に戻しますと、多数の零細農民の創設・失ってしまった農地所有権の復活行為・・これが正しかったかどうかは、100年単位の歴史を経ないと何ともいえないでしょうが、ともかくアメリカ・GHQの占領政策の一環であったことは確かでしょう。
比較が正しくないですが、せっかく大企業になったところで、労働者の人権が守られていないからと言って、民主化のために、これを解体して従業員一人づつの個人企業に分割するようなことがあれば、社会組織はガタガタです。
農地開放・・農地所有の細分化政策は、デパートやコンビニ・ファミレス運送会社などの各種組織体を1店舗づつあるいはトラック1台づつに強制分割して、各店長各運転手の個人所有にしろというようなものです。
ただし、これまで繰り返し書いてきたように、日本の農民追い出し政策は、農業のあり方を質的に転換できずに、零細な集約農業形式のまま地主小作関係を作り上げただけですから、結果的に失敗・・ひずみが生じていたことは間違いがありません。
ですから、私は明治の農業政策の失敗を敗戦後もそのまま温存すべきだったという意見で書いているのではありません。
ひずみの是正策として、社会を5〜60年も巻き戻すことが正しかったか・と言う議論です。
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