11/28/07
農地解放の意義2(子沢山政策と地方の疲弊)
こうして次男以下の都市労働者輩出政策は、子沢山化政策によって成功したものの、長男一家はそのまま地方に残してしまったので、農業の大規模化どころか弱小農民の没落を促しただけでした。
相続面では、生めよ増やせよ政策でも、長子単独相続・・家督相続制で辻褄が合うのですが、成人するまでの子育て費用は、そうは行きません。
農業収入が同じのままで、江戸時代までの一人っ子をやめて、多くの子を生めば、子育て費用の面で家計が成り立たなくなるのは必然です。
今だけではなく、昔から子育てには膨大なお金・・・コストがかかるのです。
まして、明治になって義務教育制度が始まったのです。
義務教育制度に限らず教育制度の充実は、次世代の子と人材が優秀になれば富国強兵を目指す国家が利益を得るだけで、現役世代にとっては費用を持ち出すばかりです。
次世代も、教育してくれたからと言って、親にその分恩返しできる人は稀ですから、所得の強制的移転になっているでしょう。
昔で言えば親が田地田畑を売ってまで、優秀な子供を帝大に送り出しても、高級官僚になった息子が親の売った土地の買い戻しまでしてくれることは、100にひとつもないでしょう。
セイゼイ出世した息子の姿をみて、喜んでいるのが関の山ではないでしょうか?
教育制度の充実・高学歴化は、言うならば、国家による資源の収奪・・移転の巧妙な形態ですから、ギリギリの生活をしている階層にとっては転落がはじまるのです。
都会に出た若者は、今でも普通は生活苦・・生活を維持するやっとの人が普通ですから、親に恩返しのために仕送りするところか、うっかりすると、まだまだ親からの仕送りを当てにしていることの方がが多いのです。
家を買うと言っては、まとまったお金を貰うなど、親の援助を当てにしているほうが多いでしょう。
地方と都会の関係も同様で、地方はせっせと子育てに励み、都会は育ち上がった若者を労働力として吸収するばかりですから、実質大きな所得移転をしているので、この仕組みですと、地方は疲弊する一方です。
この関係を国と国で考えれば、すぐ分かります。
ある国が赤ちゃんから大学までの費用を負担し、学卒になってから日本に送り出して
若者が日本で働いて結婚することを考えると、送り出す国はまるで損ばかりだと言うことが分かるでしょう。
この関係は、地方自治と教育問題として、04/24/04「戦後の農業政策9(農工法と過疎地対策2)地方の活性化に必要なもの」のコラムで書いたことがあります。
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