11/21/07
通信の秘密7(憲法231)(郵便電信の国家独占2)
郵便・電報制度確立(独占事業化)は、中央集権制度の確立を目指す明治政府の大事業の一つであったことは公知のとおりです。
前回現行法を紹介したように独占を破ると今でも厳しい刑事罰があります。
設備資本の巨大化・・規模の利益の大きい製鉄や鉄道が続々と民営化(・・明治年間から民営鉄道が許可されてます。)されたのに、郵便電信事業だけが民営化されずに国営のまま最近まで来たのは、(NTTの民営化はようやく中曽根内閣の時代でした。)中央集権的支配に必須の道具という認識だったらでしょう。
通信の秘密を守るためではなく、むしろ思想支配の道具として利用できるので、国家独占を最後の最後まで手放さなかった分野という視点から見ることもできるのです。
郵政民営化であれほど騒いだのに、前回紹介したとおり、今でも刑事罰で民間参入を禁止しているのです。
それにしても、通信の国家独占を図るには、強権(刑罰)だけでは無理ですから、それなりのメリット・キャッチフレーズが必要だったので、通信の秘密を謳ったというだけかもしれません。
現在の放送・・電波法もそうですが、参入が自由ではなく許可制であるから、中立を標榜しなければならないのです。
電波法の許可制については、08/01/04「電波法の合憲性について4(憲法90)」前後で書きました。
もしも参入が自由あれば、それぞれの政治的立場でいろいろな意見を放送した方が却って国民は自分の好みでチャンネルを選べて、民主主義に合致するでしょう。
通信の秘密も同じで、民間競争が激しければ、憲法の保障がなくとも通信内容を漏らしていたのでは、商売になりませんから、商道徳として、自然に秘密が守られるのです。
今のように、中立っぽくしていてその実政府寄りの放送とか、秘密を守るように見えて、実は、警察が来れば簡単に「はい、どうぞ」と安易に開示してしまう中立?の機関よりは、あそこは簡単に警察にバラス、あそこは口が堅いと言う民間の評判・・ランク付けで、国民が自分で選択した方が確かです。
国民は「どうしても秘密にしたいことはあそこに頼む」どうでもいい「ダイレクトメールなどはあそこに頼む」と費用対効果で使い分けることを出来るのが本当の民営化でしょう。
元々国営でなくとも、業として配達する以上は、配達員が一々人の信書の内容を気にしていられないのは当然ですし、安心して任せて貰うためには、内容には関知しませんと言うのは当然の商道徳でしょう。
あるいは、どんな商売でも(水商売でも)顧客のことをベラベラしゃべるのは、商道徳に反する・・口が堅いのは当然の信用ですから、郵便に限ったことではありません。
しかし、いまや近代的通信システムを国家が独占している時代ではなく、NTTや携帯電話の民営化で分かるように自由化しないと国際競争に負けてしまう時代です。
企業間の最高機密は、国営の郵便だから安心だとか、公的機関の電話だから安心するという時代ではありません。
最高機密を守るには自衛するしかないし、複雑な暗号を使用し特に信用できる人を使者とするしかないのです。
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