11/08/07

権利義務のセット(双務契約)2(民法374)

以前紹介したかもしれませんが、私の妻の母親が遊びに来ると妻の知恵でお婆ちゃんの仕事を見つけてお願いして、何かやってもらって、こちらが助かるわ〜!と感謝するパターンでした。
こうすると、いくらでも喜んで泊まっていくという仕掛けですした。
ところで、契約には、贈与など片務契約といって、片方に義務の生じない契約(贈与を受ける方は上記のように、精神的負担が生じますが法的負担であはありません)と、双方に義務のある双務契約の2種類があります。
また別に、要物行為といって、先履行してしまうので、あとは、権利だけになる契約・・債権もあります。
例えば金銭消費貸借・・お金の貸し借りですが、これは要物契約とされていますので、貸す方の債務は先履行されて初めて契約の効力が生じるので、契約効力発生と同時に貸す債務は履行済みですから、返還請求権だけになります。
これが、債権者=一般に金貸しの印象が強いので、債権者のイメージが一方的な権利ばかりの印象になっている原因なのです。
実際の世の中では、お金の貸し借りばかりではなく、朝起きてから寝るまで関与する無数の契約は、双務契約が殆どであって、貸し金のように回収するだけの権利関係・・債権ばかりの契約関係のほうが、むしろ少ないのです。
消費貸借は、、要物性・・物を先に引き渡して始めて効力が生じる点で、貸す方の債務が既に履行が終わっているために、事実上片務契約に似てくる・・境界性格を帯びるのです。
金銭消費貸借については、10/02/07「消費貸借契約3(民法287)金利の有無(商法31)」前後で紹介しましたが、今度は、要物契約の側面からの再論です。
契約成立の仕組みについては、09/21/07「契約の成立1(民法263)申し込みと承諾1」以下で紹介しましたように、契約は意思の合致した時・・申し込みと承諾で成立するのが原則です。
契約成立後効力発効時については、約束・意思の合致だけで効力が出る契約を諾成契約と言い、これが契約の主流です。
パン屋その他の店で、「このパン(アイス)下さい」と言っても、受け取るまで契約の効力が生じていないと思っている方が多いと思いますが、法的には、「これください。はい。」と言った時点で契約が成立し、かつ契約の効力も生じているのです。
その後に、パンやアイスクリームを渡してくれて、お金を払うのは、双方とも契約に基づく義務履行の関係です。
消費貸借契約は、次回以降に紹介するように、約束・・意思の合致だけでは契約の効力が生ぜずに、
   「金銭その他のものを受け取る」
ことによって初めて「効力を生ずる」要物契約といわれる契約の種類です。



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