11/07/07

組合8(民法371)地位の譲渡=債務の譲渡

再び組合に戻りますと、相続分の譲渡と関係が有るのは、民法676条です。
組合では人的関係が濃厚ですので、持分権の自由な処分がゆるされません。
処分したら相続分のように、他の組合員・・仲間が買い戻せるのではなく、組合に対抗できないとされているのです。
対抗できないとは、組合は買受人を組合員として相手にする必要がない・・無視できると言う意味でしょう。
買い戻すまでもないのです。
では、絶対的に無効かというと「対抗できない」だけですから、組合の方から有効性を承認すれば、それは有効になります。

民法(組合員の持分の処分及び組合財産の分割)
第676条 組合員は、組合財産についてその持分を処分したときは、その処分をもって組合及び組合と取引をした第三者に対抗することができない。
2 組合員は、清算前に組合財産の分割を求めることができない。

元々組合員たる資格・・契約上の地位の譲渡は、この条文がなくとも安易に許されないことは当然です。
持分権は、権利であると同時に組合員としても諸種の義務履行の基礎ですから、一方的にどこの馬の骨か不明の人に、好きなように入れ替わるのでは困ります。
この点、相続分譲渡制限によって守ろうとするのは、分配方法に関して親族共同体としての緩み・・情誼を基本として緩やかに解決しようとするだけで、義務履行分がないのですが、組合財産の場合には、分配の場面だけでなく、義務履行の関係もあるのですから、処分権の制限がよりきつくなるのは当然でしょう。
一般に債権は譲渡できるのが原則ですが、債務は債権者の同意がなければ、譲渡できないのが原則です。
労務であれ、芸人の出演債務であれ、債務者の行為を要する債務は、債務者が勝手に入れ替わるのでは、債権者の合理的な期待を裏切ることになりますので、許されません。
もちろん普通の金銭債務でも、債務者の資力その他の信用調査をもとにしてお金を貸したり、月末払いでも良いなどと決めているのです。
どこの誰か分からない者に、勝手に債務者が入れ替わるのでは、個性のない金銭債権といえども、債権回収が困難になるなどちょっと考えただけでも不都合なこと分かるでしょう。



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