11/03/06

相続税法25(跡取り優遇制度8)(少子化対策1)

民法や憲法がせっかく均分相続・平等精神に変っても、税法でこのように跡取単独相続を優遇すれば、実務では捻じ曲げられてしまうのです。
昭和33年までの税法は、アメリカ式の取得課税だったのに、総遺産・・総相続人に対する課税方式に変ったのは、そのころからはじまった保守回帰思想・戦後のゆり戻しと関係があるでしょう。
いわゆる保守合同は1955年(昭和30年)に成るのですが、保守合同が1日にして成ったのではなく、昭和29年頃から保守合同の気運が盛り上がっていたのですが、その主導権争いなどから1955年までかかったに過ぎません。
昭和20年代後半から、警察予備隊が出来これが自衛隊に変わって行く時代、あるいは自治体警察が、国家警察に事実上切り替えられていった時代(昭和29年新警察法)については、11/12/04「マスコミの中立4(サブリミナル効果)(国家警察と自治体警察・・・地方自治の本旨)憲法96」や警察法のコラムで少し、紹介しました。
こうしてアメリカによる直接統治を離れた日本では、着実にゆり戻し政策が取られていき、昭和33年に、均分相続の進展を遅らせる税法が成立して現在に至っているのです。
そこで、こうしたゆり戻しの背景を家族制度を中心にみておきましょう。
戦後の家族法(民法親族相続編)の改正で、均分相続制度に移行したのですが、これを支える経済構造や法意識が直ちに変わるものではありません。
殆どの場合、長男・跡取が、遺産の大部分を取得する慣行が続いていたのは、ご存知のとおりです。
しかし、憲法や民法の精神とおりに、各人の遺産取得に対する課税方式の税法ですと、長男に遺産を集中した場合に前回まで書いたように、相続税が高くなりすぎてどうにもならない事から、このような全面改正が行なわれたように見えます。
しかし、戦前にはもともと家督相続制だったので、一人で相続していたのですから、一人に対する課税方式でも、戦前からやっていたことであって変りがないのですから、増税になっていた訳ではないのです。
むしろ相続人全員分の控除方式にしたのは、子沢山の人に対する減税策だった事になるでしょう。



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