11/25/04

官名の濫用(運転「手」から運転「官」へ)官とは?1

ここでまた、私の個人的経験ですが、15年位前に、私が弁護士会執行部にいたときに裁判所から借りていた弁護士会館の敷地の明渡しの話し合いをしたことがあります。
そのときに、裁判所から明渡し後の利用計画の図面を貰ったことがありましたが、驚いたことに、裁判所の運転手の控え室と言うか車庫の場所を「運転官なんとか・・・室」と書いてあったのには驚いたことがあります。

兵卒を兵士と言うようになり、私の学生時代には執行吏と言う呼称でしたが、そのうち執行官法と言う法律が出来て、執行官になったのもその亜流です(執行官法昭和41・7・1・法律111号)。
  
このように、戦後の方が、最末端に至るまで、・・・官と言う呼称が普及した原因は、国民主権=官名廃止の動きに抵抗するために、その温存を図りたい勢力の意見で、国家公務員である限りみんな「官」と呼ぶように水増ししてしまったように想像しますが、如何でしょう。
運転手まで運転官といえば、「・・・官」と言う呼称は、君主側近のイメージが薄れ、「ただの国家公務員と言う意味か・・・?」とみんなが誤解してくれる狙いがあったのでしょうか?
なお、憲法制定時に、大臣や裁判官などの官名は変更すべきだったのではないかという視点から、09/16/03「日本国憲法下の総理 2(憲法29) 「新しい酒は新しい皮衣に2」前後のコラムで連載していますので、参照してください。
ところで、官とは君主直参の意味でこれまで書いてきましたが、いつものとおり漢字の意味を念のため吟味しておきましょう。
官とは何でしょうか?官とは大きな家に詰めている人をあらわすものから、転じて王宮に仕える者を意味するようになったらしいですから、今ではどこもかしこも大きなビルになっているので、最末端のお茶汲みや運転手まで字源の意味での「官」になったと言えるのかも知れません。
そういう意味では、運転手も守衛も国家公務員であり、、大きなビルに勤めているのですから、何を文句言ってるの?と言われてしまいそうです。
ところで、私のヘボな経験によると子供のころは、官と宮の区別が分らず、同じ漢字だと思っていた時期がありました。
印刷物で見るだけでなく、当時は手書き文書を見ることが多かったのも1因です。
とか何とか言っても、私のレベルが低いだけの話ですが、何でも牽強付会の説を唱えるのが好きですから、ま、付き合ってみてください。
ここで言いたいのは、わが国では、「緑ナス黒髪」と言う表現があるように、漢字伝来時にわが国では細かく色分けするところまで発達していなかったために、あるいは同じ植物がないために適当なあて字になっていたことがあったようです。
そう言う屁理屈を基に考えますと、祭政国家であった古代から考えてみますと、天皇イコール巫女の子孫とまでは言わなくとも、少なくとも天皇家は、祭祀を重視して来た歴史があるのは否定できないでしょう。
そして天皇は、その大親分(と言うと不敬かな?元締めというべきでしょうか?)と言う位置付けであったと思います。
万葉集のどこかにありましたが、「おおぎみは神にしあれば・・・」と言われていたのです。
神様に仕える人を神主(かんぬし)と言うことからの連想ですが、天皇家の一族を宮様とも言いますし、神に仕える神主の「かん」とは、もとは同じでないかという思い付きです。
要するに、中国の漢字の謂れと離れて、神様=後世では「すめらみこと」に仕える者を官または宮と言い、そのうち直接神に仕える者だけを「宮」といって、神に等しいまたは近い天皇に仕えるものを「官」と使い分けただけのことではないかということです。
言うまでもなく、官と宮の漢字の語源はまったく違いますので、私の上記意見はまったく無茶苦茶なものですが、わが国では、いろいろな相互乗り入れがあることから強引に自分の低レベルに合わせて、さらに進めていきましょう。
中国では、漢字が造られた前提の社会実質があって出来たわけですが、漢字が伝わったときに、わが国には、前提たる豪壮な王宮(例えば阿房宮のような)があった訳ではありません。
色の区分けが細かくないときに伝わったために「緑ナス黒髪」と言うように、官と宮の区別が本質的なものとしてではなく、程度の差くらいにしか、考えていなかったという大胆と言うか、無知に基づく仮説です。




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