11/21/04
岡引きはどうなったか?1(参入規制の今昔・・資格制度)
これまで岡引き等が警察の前身だと書いてきましたが、正確には、岡引きが、そのまま警察官になったのではありません。
明治始めころに、薩摩から羅卒を千人単位で募集したと言われていますし、殆どの本では、羅卒を警察の前身とも書かれていますので、岡引きにあたる者の運命はどうなったのか気になるところです。
そこで、この辺のところを私の推理を交えながら考えていきましょう。
さしあたり羅卒と岡引きの関係ですが、岡引きなど捜査従事者が全て公務員化されるときのところがはっきりしないのです。
後に紹介しますが、岡引きや番人では、規律が保てないために公務員化して綱紀粛正に努めたのですから、捜査能力では平均以上の岡引きは、そのまま横滑りできたはずだと言うのが私の基本的な考えです。
何ごともその道のプロが必要ですから、羅卒で人数が足りているからといって、いきなり岡引き全部をくびにはできません。
ところで、新しい資格制度が出来る場合の流れを見ますと、自然発生的に発達した職種、我々弁護士の歴史もそうでしょうが、例えば、不動産業者や付き添い婦などが社会的に認知されてくると、これにあやかった従事者が増えてきます。
おのずから実力、品性の伴わない者が混じるようになって来ますので、旧来のきちんとしていた従事者としては、長年培ってきた職業者の社会的評価を下げないように、資格制限すべきだと言う声が高まります。
経験者、長老を中心としての研修制度ないし、一定の親方が認めた者以外は、職能集団の会員として認めないという一種のギルド制度が生まれてくるのです。
弁護士や裁判官になるための司法修習制度も、(同じ釜の飯を食った者以外は、仲間と認めない?)そうした歴史の残滓かもしれません。
こうしてみると、中世のギルドがいかにも社会の発展を阻害していたように学校で教えられますが、粗悪品を排除するシステムとして、1応の機能を果たしていたことが分ります。
この参入規制が、いつのまにか目的が変性してしまって、能力によるのではなく、既得権保護のために運用されるようになったことがいけなかっただけです。
今回のプロ野球界参入問題でも、能力のテストではなく「先ず、ライブドアはお断り」と言う姿勢に国民の反発があるのでしょう。
このように近代合理主義精神から言えば、各種職業の参入規制は必要な場合があるとしても、その場合には、能力試験に限るでべきであって、権威者の腹三寸・ファジーに決めるシステムは、非合理な参入規制に傾きやすい弊害があるので、中世の残滓、「悪」といえるでしょう。
こうした関係は、07/30/04「現在の免許とは1(医師免許・医師法1)(刑法12)」以下のコラムで車の運転免許などに関して連続して紹介しました。
薬局の距離制限による参入規制は、06/14/03「3権分立(憲法21)10(人材が決め手3) 」のコラムその他で、酒屋さんの距離制限は08/04/04「税制と汚職の関係1(上納金・冥加金と独占権
」のコラムでそれぞれ紹介しましたが、こうして現在社会では非合理な制限ですから、違憲性を帯びてくるわけです。
話を戻しますと、こうして、それぞれの職種で一定の資格導入の運びとなるのですから、旧来のきちんとしていた従事者、例えば、付き添い婦や不動産屋が、資格を創設するときには、旧来きちんと仕事をしていた人たちは(自分達のレベルまで達しない者の参入規制をしようというものですから、)大方全員資格試験に合格する仕組みです。
現在社会問題になっている西武鉄道の東証上場問題でも、創立時の会員・言い出しっぺが撰に洩れることはありえなかったでしょう。
このような流れは昔も今も変わりませんから、警察制度の創設期にも、捜査の経験者である岡引きは、当然に主力として採用されたはずです。
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