11/25/03
租税特別措置法 1(相続時精算課税の特例1)
相続税法では、以下のとおり、今も控除額は60万円です。
相続税法(贈与税の基礎控除)
第21条の5 贈与税については、課税価格から60万円を控除する。
これが、租税特別措置法では、特例として110万円に変わっています。
租税特別措置法を見ていきましょう。
租税特別措置法
(贈与税の基礎控除の特例)
第70条の2 平成13年1月1日以後に贈与により財産を取得した者に係る贈与税については、相続税法第21条の5の規定にかかわらず、課税価格から110万円を控除する。
この場合において、同法第21条の11の規定の適用については、同条中「第21条の7まで」とあるのは、「第21条の7まで及び租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第70条の2(贈与税の基礎控除の特例)」とする。
《全改》平13法007
《改正》平15法008
2 前項の規定により控除された額は、相続税法その他贈与税に関する法令の規定の適用については、相続税法第21条の5の規定により控除されたものとみなす。」
《全改》平13法007
相続時精算課税については、平成15年11月7日の「相続税法 5」のコラムで説明しました。
このときに、特別措置法もあわせて紹介しようかと思ったのですが、条文が長すぎるので、考え方さえ、分かればいいかと思って省略しました。
今回は、基本法と特別法の関係を理解していただく為に、条文を紹介しておきましょう。
ただし、相続時精算課税に関心のある(これを利用しようと思っている)人は、前記「相続税法5」のコラムと合わせてじっくり読んでみてくだされば、かなり分かると思います。
文章は、たったの1条だけですが、無茶に長いものですから、一般の人には、住宅取得資金の贈与に関する特別法があり、しかも時限立法(一定期間だけ認める・17年1月1日までです)であると言うだけ理解していただければ良いので、相続時精算課税に関心のない人は、(読まずに)飛ばしてください。
(特定の贈与者から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例)
第70条の3
平成15年1月1日から平成17年12月31日までの間にその年1月1日において65歳未満の者からの贈与により住宅取得等資金の取得をした特定受贈者が、次の各号に掲げる場合に該当するときは、当該特定受贈者については、相続税法第21条の9の規定を準用する。
1.特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年3月15日までに当該住宅取得等資金の全額を住宅用家屋の新築若しくは建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得又はこれらの住宅用家屋の新築若しくは取得とともにするその敷地の用に供されている土地若しくは土地の上に存する権利の取得のための対価に充てて当該住宅用家屋の新築(新築に準ずる状態として財務省令で定めるものを含む。)をした場合又は当該建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得をした場合において、同日までに新築若しくは取得をしたこれらの住宅用家屋を当該特定受贈者の居住の用に供したとき又は新築若しくは取得をしたこれらの住宅用家屋を同日後遅滞なく当該特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき。」
相続税法では、贈与者が65歳以上でなければ駄目ですが、この措置法では、贈与者が65歳未満でも、住宅取得資金目的で贈与し、この項に当てはまれば、相続税法で定める相続時精算課税の準用があると言う訳です。
同時成立の法律なのに何故、同じ法律に書かず、別の法律に書くのか?分かり難いじゃないかという疑問があるでしょう。
二つの法律に分かれているのは、まさに基本法で定める分野と、特別法で、臨時的に決める分野の棲み分け理論によるのです。
基本法である相続税法では、贈与の使い道が限定されておらず、単に世代間の財産移転を
相続税で計算できるようにしただけです。
しかし、今回の改正の趣旨は、何とか年寄りが持っているお金を吐き出させたい。
そのためには、次世代に贈与し易いように税制を変えようと言うものでした。
もともとこの発想は、不動産、建築業界の救済目的でしたから、この租税特別措置法で、手当てするだけで良かったのでしょうが、それでは余りにも、丸見えとなります。
世代間資産移転の促進と言う大義名分として、一時的な不況対策というよりも、これからの高齢化社会の基本的骨格ではなかろうかと言う意見があって、基本法にまでもぐりこませるのに成功したものでしょう。
ただし、基本法では住宅資金関係だけ優遇するとまで書けなかったので、特別措置法と棲み分けたと言う訳です。
2.特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年3月15日までに当該住宅取得等資金の全額を既存住宅用家屋の取得又は当該既存住宅用家屋の取得とともにするその敷地の用に供されている土地若しくは土地の上に存する権利の取得のための対価に充てて当該既存住宅用家屋の取得をした場合において、同日までに当該既存住宅用家屋を当該特定受贈者の居住の用に供したとき又は当該既存住宅用家屋を同日後遅滞なく当該特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき。
3.特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年3月15日までに当該住宅取得等資金の全額を当該特定受贈者が居住の用に供している住宅用の家屋について行う増改築等又は当該家屋についての当該増改築等とともにするその敷地の用に供されることとなる土地若しくは土地の上に存する権利の取得の対価に充てて当該住宅用の家屋について当該増改築等(増改築等の完了に準ずる状態として財務省令で定めるものを含む。)をした場合において、同日までに増改築等をした当該住宅用の家屋を当該特定受贈者の居住の用に供したとき又は増改築等をした当該住宅用の家屋を同日後遅滞なく当該特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき。
《全改》平15法008
2号3号は、既存住宅取得や、増改築資金ですから、3月15日を過ぎても、「遅滞なく」・・・できることが確実と言う理由で申告できる規定です。
2 前項において準用する相続税法第21条の9第2項の届出書を提出した者については同条第3項の規定の適用を受ける財産を取得した同条第5項に規定する相続時精算課税適用者と、住宅取得等資金の贈与をした者については同条第3項の規定の適用を受ける財産の贈与をした同条第5項に規定する特定贈与者とそれぞれみなして、相続税法の規定を適用する。」
《全改》平15法008
3 この条及び次条において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
1.特定受贈者 次に掲げる要件を満たすものをいう。
イ 相続税法第1条の4第1号又は第2号の規定に該当する個人であること。
ロ 住宅取得等資金の贈与をした者の直系卑属である推定相続人であること。
ハ 住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の1月1日において20歳以上の者であること。
2.住宅用家屋 住宅用の家屋で政令で定めるものをいう。
3.既存住宅用家屋 建築後使用されたことのある住宅用家屋で政令で定めるものをいう。
4.増改築等 特定受贈者が所有している家屋につき行う増築、改築その他の政令で定める工事(当該工事と併せて行う当該家屋と一体となつて効用を果たす設備の取替え又は取付けに係る工事を含む。)で次に掲げる要件を満たすものをいう。
イ 当該工事に要した費用の額が100万円以上であること。
ロ 当該工事をした家屋が特定受贈者が主としてその居住の用に供すると認められるものであること。
ハ その他政令で定める要件
5.住宅取得等資金 次のいずれかに掲げる新築、取得又は増改築等(特定受贈者の配偶者その他特定受贈者と特別の関係がある者として政令で定める者から当該取得又は当該増改築等をする場合を除く。)の対価に充てるための金銭をいう。
イ 特定受贈者による住宅用家屋の新築又は建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得(これらの住宅用家屋の新築又は取得とともにするその敷地の用に供されている土地又は土地の上に存する権利の取得を含む。)
ロ 特定受贈者による既存住宅用家屋の取得(当該既存住宅用家屋の取得とともにするその敷地の用に供されている土地又は土地の上に存する権利の取得を含む。)
ハ 特定受贈者が所有している家屋につき行う増改築等(当該家屋についての当該増改築等とともにするその敷地の用に供されることとなる土地又は土地の上に存する権利の取得を含む。)
《全改》平15法008
第2項は、ずばり、相続税法21条の9の相続時精算課税適用者になると言う規定です。
第3項も、読めば分かると思います。
条文の紹介だけですが条文が長すぎますので、ここで切って、次回のコラムで連載しましょう。
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