11/22/03
相続税法 12(跡取り優遇制度2)
こうした視点で、今の税制の基礎控除を考えてみましょう。
先ず最初に、人数に関係なく5000万円が控除されますので、相続人が少ないほど、1人当たりの控除額が大きくなり、相続人が多くなると1人当たり控除が漸減していきます。
相続人が1人の場合、5000プラス1000=6000万円が基礎控除ですが、相続人が2人ですと5000プラス2000=7000万円で、1人当たり3500万円しか基礎控除がありません。
順次3人4人と当てはめても、一人あたり控除が減る一方です。
この考え方は、相続人全員が家族共同体で生活するのを前提に考えれば、至極当たり前です。
独り所帯よりは、4人所帯のほうが1人当たり生活費が安くつくのは、誰でも知っていることですから。
しかし、現在相続に参加する人の99%くらいは、別個独立の生活をしていて、それぞれに家族がいるのが普通ですから,こうした考慮は、全く実態に合致しないマヤカシです。
ちなみに、平均死亡年齢は、0歳の赤ちゃんから、10代20代の青少年の死亡まで平均していますが、赤ちゃんや子供には、相続税が発生するような遺産がありませんので、相続税が問題になる人の死亡年齢は、概ね60〜80〜90歳でしょう。
40〜50歳の死亡では、子供がまだ成人したかしないかですので、相続税を払うような資産のある人は稀です。
現在相続税を払う該当者は、控除が8000万円もあるので全死亡者の5%しかないといわれていますよ。
なお、現在と言わずに、昭和30年代以降の相続でも、次男以下が都会に出て生活しているのが普通でしたし、農村部に、次男がいた場合でも、新宅して別所帯になっているのが普通でしたから、ずっと前から、一族共同生活などしていなかったのです。
ですから、相続人の人数に応じて控除すると言うのはマヤカシであって、実は跡取優遇のカモフラージュでしかないのです。
私は、現在の5000万円の基本控除(1人当たりの基礎控除ではなく相続人の人数にかかわらず基本控除として5000万認められる制度を便宜基本控除と言っておきましょう)は、経済合理性がなくなっているにもかかわらず、役人の怠慢で遺物として残っているに過ぎないか、または、家の制度の存続希望者の勢力に気兼ねして、改正できないかのいずれかではないかと思います。
大赤字にも拘わらず、なお、赤字ではないと言い張って、さらに高速道路を作り続けようとする道路公団に似ていますね。
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