11/08/03

相続税法6(基礎控除)

相続税の基礎控除の話が出たついでに、基礎控除額を紹介しておきましょう。

(遺産に係る基礎控除)
第15条 相続税の総額を計算する場合においては、同一の被相続人から相続又は遺増により財産を取得したすべての者に係る相続税の課税価格(第19条の規定の適用がある場合には、同条の規定により相続税の課税価格とみなされた金額。次条から第18条まで及び第19条の2において同じ。)の合計額から、5000万円と1000万円に当該被相続人の相続人の数を乗じて得た金額との合計額(以下「遺産に係る基礎控除額」という。)を控除する。

現在の相続税法では、夫婦子供2人の家族で、相続が発生したときには、この計算で8000万円まで基礎控除されますし、その他に特別控除もあることはご存知でしょう。
基礎控除というのは、相続人の個性に着目しないで相続人の頭割り控除であり、特別控除は障害者控除のように、相続人の個性に着目したものと言えるでしょう。
さらに、当然のことながら被相続人の債務も引かれますから、平均的サラリ-マンの家庭では、殆どの場合、相続税を心配する必要がないのです。
被相続人が生前借金していれば勿論、現役で死亡したりすると、前年度の収入に合わせて、翌年、市県民税などが追いかけてきますが、これは勿論相続債務となります。
葬式費用などは、理論的には遺族が、自分の死者を悼む気持ちでやるべきもので、法律上の義務ではありませんから、(香典なども遺産になりません)相続債務ではありませんが、税務上は、国民の宗教感情に配慮して、相続財産から控除できることにしています。
ただし、これは税務上の配慮でしかありませんから、民法上の遺産分割では、遺産から葬儀費用を控除したものが、遺産となるのではありません。
ただし、実際上の話し合いで、これを皆が認めるかどうかは別問題です。
これと似た逆の話に、生命保険があります。
生命保険は、受取人が具体的氏名で指定されている場合、たまたま、相続人と重なっていても相続人として受け取るのではなく、契約書に受取人と書いてあるから受け取れるのですから、民法上は,、遺産では有りません。
したがって相続放棄しても受け取れます。
ところが、相続税法では、一定の計算で、算出された額が課税対象として計上されます。
極端な事例で言えば、一時払いの巨額な保険をかけておいて、現預金殆どなくて死亡した場合、非課税と言うのは不公平ですから、死亡までの掛け金をおおむね基準にして課税することになっているのです。
このように民法理論と税法は、少しづつ変わっているところがあるので、注意が必要です。

2 前項の相続人の数は、同項に規定する被相続人の民法第5編第2章(相続人)の規定による相続人の数(当該被相続人に養子がある場合の当該相続人の数に算入する当該被相続人の養子の数は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める養子の数に限るものとし、相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかったものとした場合における相続人の数とする。)とする。
1.当該被相続人に実子がある場合又は当該被相続人に実子がなく、養子の数が1人である場合
1人
2.当該被相続人に実子がなく、養子の数が2人以上である場合
2人

基礎控除が人間の数による事が分かると、税金を少しでも少なくしたいと言うことで、形だけの養子縁組が増えてきました。
孫をすべて養子にする方法です。
こういう節税対策が増えてきますと、実質的に不正なことになりますので、上記のような制限規定が生まれました。




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