11/20/02
胎児の権利能力(民法11)3
大分回り道をしましたが、再び、胎児の権利能力に戻りましょう。
ババ引きの話で大体言いたい事が分かったと思いますが、胎児段階での権利能力について、遡及効の有る停止条件説と言う立場ですと、出産するまでの間は何の権利もないのですから、胎児を抜きにした形で相続・名義変更がされてしまいます。
あと3ヶ月で生まれるのを待たずに急いでやる以上は、生まれる前に処分したり何か取り返しのつかない事をする必要があるのが普通です。
相続した資産を、処分されてしまうと(或いは王位継承その他実際に地位が継がれてしまうと後から覆すのは困難なものです。)その後に生まれた子供は事実上回復不能の損害を被ります。
損害賠償請求出来るでしょうと言う事ですが、賠償する資産を別に持っている人がそんな事をする訳がないのですから、多分3か月後に生まれた子供は何も取り返せなくなります。
これに対して、遡及効のある解除条件であると解釈するとどうなるでしょうか?
胎児は胎児であるときに既に権利能力があって、死産したときに初めて、遡って解除・すなわち権利能力がなかった事になります。
そうすると現在の共同相続制では、胎児の印(法定代理人の母の印)がなければ遺産分割出来ませんし、全く夫の親が出る幕はありません。(子供がいれば夫の親に相続権がありません。)長子相続制でも、胎児が出産する前に夫の弟が後を継ぐと言う事は出来ません。
このように条件をどう読むかによって、とてつもなく権利関係が変わってくるので、昔から、解除条件説と、停止条件説とが大きな対立となっているのです。
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