11/10/02

条件と期限(民法7)2

条件と言うのは、将来発生するかどうか誰にも分からない不確実な事実の発生に法律効果の発生がかかっている場合を言い、期限と言うのは、同じく将来の事ですが、必ず到来する時期の到来に法律効果の発生がかかっている場合を言います。
『そんな事はここで聞かなくっても知ってるよ』と言う人がこのコラムの読者の殆どだと思いますが、人生には分かったつもりでもきっちり分かっていない事が多いものです。まして法律用語と言うのは、正確に決まっていないと争いを解決出来ません。
そこで条件と期限の違いについて頭の体操のつもりで一度勉強してみましょう。
もし、赤ちゃんが生まれたら、○○と言うのは、生まれない可能性も有るのですから、条件と言います。
このように不確実な事実の実現に法律効果の発生がかかっている場合、この不確実な前提事実を、条件と言います。
これに対して、平成14年12月10日に金○○○万円を支払うと言うのは、必ずその日が到来する事ですから、期限と言います。
では、『俺が死んだら○○をやる』と言うのはどうでしょう?
何時死ぬか分からないという点では、不確実な事実の実現にかかっていますね。でもこの場合は、条件ではなく期限の一種なのです。
『俺が死んだら』と言うのは、何時か分からないけれども、今のところ、人はかならず死にますので、死亡と言う事実の発生は、不確定ではないので、期限を定めた事になるのです。これに対して、大学受験に合格したら御褒美に○○を買ってやると言うのは、どうでしょう?
死亡のようにいつかは合格するとは限りませんので、(うちの子供は浪人すれば必ず合格出来ると言う親御さんもいるでしょうが、それは主観的な信念に過ぎず、法的には問題にしませんのでアシカラズ。)条件になります。少しひねって、『俺が○○までに死んだらこれをやる』と言う場合はどうでしょう?
『○○まで死んだ場合』と言うのは、ひとが何時死ぬかは(今のところ)誰にも分からない事ですから、不確実な事実の発生にかかる事になって条件となるのです。
次に、『2年後に俺が気が向いたら○○をやると言うのはどうでしょう?』『そんな事を言う訳がないし、有ってもそんな勝手な話聞いていられないよ』と思うでしょうが、老後の世話をしてもらう時に、その世話の仕方次第で遺産をやっても良いと言う気持ちの人が多いのではないでしょうか?(でも、今からやると言う約束まで出来ないし、世話をする方も、先にくれる約束をしてくれないと世話出来ないとまでは言えない事が多いのです。)
このように、意思表示者の気持ち次第と言うのも、不確実この上ないものですから、条件の一種となります。




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