10/31/07
相続分29(民法358)譲渡3
ところで、相続分とは何でしょうか?
2003年11月1日「相続分6(民法108)(配偶者相続分の重要性1)(遺産は共有か合有か)」のコラムで少し書きましたが、遺産分割前の遺産はどういう権利関係にあるのでしょうか?
判例のように、単純に、民法(財産法)の共有であると言い切れれば、割と簡単です。
共有財産として、共有の規定に従うだけの話です。
共有というのは、所有権(その他の権利の準共有もあります。)を共同で保有するものですから、その処分、管理などは所有権法という民法中所有権のところに規定されています。
もしも単なる共有ならば、遺産が不動産の場合、何らの遺産分割協議や審判を経ずして、その相続分どおりの共有持分登記をして、第三者に処分してしまうことも可能です。
(共有持分権の移転登記です)
その他の預金も判例によれば、法定相続割合で、分割払い戻しできるのですから、何の不都合もないことになります。
その他の遺産といっても、家具など動産類は殆ど価値がないので、法的議論の余地が有りません。
しかし、以下の条文があるのです。
民法第九百五条 共同相続人の一人が分割前にその相続分を第三者に譲り渡したときは、他の共同相続人は、その価額及び費用を償還して、その相続分を譲り受けることができる。
2 前項に定める権利は、一箇月以内にこれを行わなければならない。
この条項は、個々の遺産の持分を譲渡するのではなく、抽象的な相続分を第3者に譲渡してしまった場合です。
この条文と相続分譲渡の話は、07/22/03「相続分の譲渡2(民法83)(合有1)」前後にも連載しましたが、そこから相続分不存在証明に転じてしまったので、その続きでもあります。
例えばある土地の共有持分権を、買った人からの再譲渡(買戻しに似てますが自分の権利ではなく、兄弟などの別人の持っていた権利ですから、正確には違います。)は、この条文では出来ませんが、相続権と言う抽象的な権利を買った人からは、買主の承諾なくして、他の相続人が譲り受け出来ると言う規定です。
商法や借地法の介入権にも似ていますが、性質が違います。
譲り受けの意思表示を一ヶ月内にすれば、効力が生じる・・・形成権と言うことでしょう。
しかし、普通の法律は知ってからの期間と知らなかった場合の期間の2本立てにしているのですが、この場合、一ヶ月一本と言うのは不可解です。
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