10/31/07
相続分28(寄与分2)(民法357)
この寄与分の条文は、大騒ぎして出来た割には、私が経験した限りでは実務上大した影響はありません。
もともと遺産分割では、諸般の状況を総合して解決していましたので、大騒ぎの割には、「当たり前じゃないの!というところです。民法(遺産の分割の基準)
第906条 遺産の分割は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをする。
これまで書いているように、同居している長男などには、生前贈与あるいは、事実上の受益が多いので、同居している者がかなり多くを得ているのです。
みなし相続財産のコラムで書きましたが、次男が家を建ててもらって親の死亡まで30年住んでいて死亡時には、ボロ家・・無価値になっても、みなし相続財産として計算に参入されるのですが、その間長男は親の金で、次男の何倍も立派に建てた家(親の金で買った車など)に長男とその家族が、そのまま数十年住んでこられても、1円も計算に入らないなど無償のメリットその他が大きいのです。
それに遺産争いになるような資産のある親は、車でどこかへ送ってもらったりすれば、タクシー代の倍くらいのお金をその都度握らせることが多いものですから、身近にいる者が、むしろ得していることが多いのです。
嫁に行った娘が、年老いた母を介護するために、小まめに帰る場合も、その都度交通費の何倍ものお金を渡したり一緒に買い物に言っては、娘の洋服を買ってやったりしている場合が殆どなのです。
それに最近は、介護の社会化という風潮ですから、面倒見てきたといっても、預けっ放しが増えてきたので、それがどうした?と言うことが、(経費は当然母親の預金から下ろして使っています)結構あります。
その上、最近では遺言が発達して、同居して世話している娘や息子が、生前に預金を事実上食い物にしたり、遺言で殆ど全部を貰っている場合が多いので、今では殆ど問題にされない規定・・・さらに要求するのは、言いすぎだからでしょう。
昔は遺産と言えば農地くらいしかなかったのですが、今は金銭債権・有価証券が資産の中心ですから、高齢化してからちょろちょろと資産が流出している場合の資産管理を誰がしていたのかが大きな問題です。
それにしても、昨年の始めころに出た最高裁の判例はどこに価値基準を置いているのか解せない判例です。
被相続人の生前の預金の払い戻し状況を調べようとしても、遺族全員の合意がないと銀行は開示に応じなくとも良いというのですが、不正に引き出していた者が応じるわけがないのですから、この判例は何を法秩序として守ろうとしているのか・・・「不正をした方が得だよ」という制度を目指しているとしか考えられません。
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