10/29/07

相続分25(みなし相続財産7)(民法353)

平成19年10月28日・・この原稿を書いている今日ですが、日経朝刊9面には、殆ど1面全部に世帯分離の勧めがあって、(それ自体、実態に反した問題のある勧めですが・・・生活保護を受けるための偽装離婚など・・別に論じましょう)その最後に特養施設に入ると住民票が移るので、これまでの印鑑証明を利用できなくなってしまう。
「特養に入居したら(「する前に」の誤記か?)財産の名義を書き換えたり委任状を書くなど注意した方が良い」
と締めくくっています。(「手塚愛美」と言う署名入りです)
この論説は、同居者が親の財産を好きなようにしている現状を肯定した上で、さらにこれが出来なくなる場合に備える手だてを解説しているのです。
その文章は、「財産分与の話し合いをするために印鑑証明が必要・・・」とごまかしていますが、財産分与は離婚の話であって、痴呆になった親の問題ではありませんし、仮に論説を書いている人がこうした法的違いを誤解して遺産分けの話を書いているにしても、生前に前もって親の遺産の名義をあえて変更する・・あるいは親の財産を子供が勝手に分割すること自体違法です。
本当に介護費用捻出のために不動産を売らねばならない事態になれば、推定相続人みんなで公明正大にやれば住居変更したことなど問題ではないのです。
痴呆になって、意思能力がなくなれば新たな取引は不能でしょうが、それは事前に委任状を貰っておいても、実質は同じでしょう。
委任を一旦受ければ、その後に本人が意思能力を失っても、その効力に影響がない建前ですが、実際上、委任の権限外の疑いが生じるので、一方的利益を受けるだけの行為以外は、権利行使を控えることになるのが普通でしょう。

民法(代理権の消滅事由)
第111条 代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
1.本人の死亡
2.代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
2 委任による代理権は、前項各号に掲げる事由のほか、委任の終了によって消滅する。
(委任の終了事由)
第653条 委任は、次に掲げる事由によって終了する。
1.委任者又は受任者の死亡
2.委任者又は受任者が破産手続開始の決定を受けたこと。
3.受任者が後見開始の審判を受けたこと。



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